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オスカー分け合うってことで、どうでしょう?

昨日書いたことに補足。

ソーシャル・ネットワークは映画としては地味だ。キングズ・スピーチの方が華がある。そのあたりがオスカー好みと思うけど、ソーシャル・ネットワークの上手さも捨てがたいとこなので、デヴィッド・フィンチャーに監督賞でどう?あれだけいい映画をたくさん作ってるのに、まだオスカー獲得してないし。同作品から作品賞と監督賞が出ることが多いけど、そうじゃないこともたまにはあったから、今回も監督賞だけデヴィッド・フィンチャー。

キングズ・スピーチのトム・フーパー監督は、まだ若いし、これからの人だから。おっと、そのへんで、作品賞もソーシャル・ネットワークってこともあるかな?いや、サム・メンデスも30代での長編監督デビューのアメリカン・ビューティーで作品賞とってるから大丈夫か。

フーパー監督、映画はくたばれ!ユナイテッド-サッカー万歳!に続いての2作目だけど、テレビでも、いいのを作ってる。日本でもエリザベス1世~愛と陰謀の王宮~とかは見られるようだ。両方とも、邦題がおおげさな気がするけど、いい作品だ。その前にはイーストエンダーズみたいなソープドラマも何篇か作ってる。

そうえいば、昨夜、ながらテレビでチラチラと見てた理想の恋人.comの、夜中にコンドーム探して街中を車で爆走するカップル、イーストエンダーズでも全く同じエピソード(フーパー監督の回ではありません)があったのを思い出した。そうか、この映画が元だったんだ。

ティンバーレイクが意外にいいソーシャル・ネットワーク

ソーシャル・ネットワークを見た。

公式サイトソーシャル・ネットワーク – オフィシャルサイト

ジェシー・アイゼンバーグやアンドリュー・ガーフィールドがいい演技するのはこれまでも見てたけど、ジャスティン・ティンバーレイクのいかにもバブリーなIT長者が意外によかった。こないだの十三人の刺客の稲垣吾郎といい、アイドル出身と思ってあなどってはいけないな。

アイゼンバーグは、頭はいいけど、人間的にどうかと思うようなこともしちゃって、それを自分でも割り切れずにいるコンピューターオタクを、すごくうまく演じてた。マイケル・セラとキャラがちょっとかぶってるから、先にブレイクしたセラが有利かと思ってたけど、これでシリアス役が増えて、コメディが多くなったセラと住み分けるかも。

ガーフィールドはここでもまた、共感を集めそうな役。わたしを離さないでRed RidingBoyAと、どれも可哀想なことになっちゃう人だった。そういうのがハマルというのは得だな。そういう意味でスパイダーマンもあってると思う。

デヴィッド・フィンチャーだと、ファイト・クラブセブンの方が好きだけど、その2作 にも劣らない切れ味で実話を見せているのは、すごい。出てる俳優は若いけど、作品としては大人っぽいと言えるかもしれない。イギリスとか、みんなFacebook使ってるから、その創成期を見るのはスリリングでもあるかも。

これと、キングズ・スピーチがオスカー有力と言われてるけど、私はキングズ・スピーチ派だな。単に、ハーバードのコンピューターの天才より、吃音の国王の方が、共感できるというのもあるけど。

ロンドン映画祭からのお勧め作品

昨日で終わったロンドン映画祭、全部で50くらいは見たかなーの新作映画の中から、これはよかった!というものをご紹介していきたい。

一番のお気に入り Neds/ネッズ(原題)

もともとシェーン・メドウズやアンドレア・アーノルドが好きなので、その系統、しかもきわめてよく出来てるこれが個人的には最高賞。ワーキングクラスのタフな少年期が説得力を持って描かれているものにはグッとくる。

監督の自伝的な映画に出来の悪いものはあまりない。独りよがりになってない場合に限ってだけど。個人的なことをちゃんと作品に昇華させるのは、年季入ってるとか、ちゃんとその方面のお勉強してるとか、意外に地道なことのような気もする。そりゃ才能は必要だろうけど。自身の父親のアル中ぶりを演じているほか、監督/脚本も務めたピーター・マランも長い俳優歴、監督歴あっての本作と思う。

オスカー候補 The King’s Speech/ザ・キングズ・スピーチ(原題)

ジェフリー・ラッシュ助演男優賞も有力だし、いろんな部門でノミネートされそうだが、コリン・ファースの主演男優賞を一押し。

一昔前に流行った三高という言葉が浮かぶコリン・ファース。女性が男性に求めるものとしてあげた、高身長、高収入、高学歴という、あれね。

ちょっと見上げるくらいの長身、正確な年収は知らないけど高収入であることは間違いない。大学で教える両親の元に生まれ、本人も世界的に知られたイギリスの芸術大学のドラマコースで学んでいる。三高とは関係ないけど、ついでに奥様も才色兼備。今回のイギリス国王役もピッタリの威風堂々。

それなのにエリートにありがちな冷たい感じがしない、というのがポイント。だいの大人、しかも国王が子どもみたいに泣くようなシーンにも、ちゃんとはまる。これだけ良さが出せる役、売れっ子と言えども、そうは来ないだろうから是非オスカーをあげて欲しい。

ほかにも、いいのがいろいろあったので続きは明日。

オスカー狙えそうなザ・キングズ・スピーチと、三池らしいエグイとこもありの十三人の刺客

ロンドン映画祭、一般上映で2本見る。

The King’s Speech/ザ・キングズ・スピーチ(原題)

一昨日のプレス試写が満員で見られず、昨日の一般上映も同様に満員で、やっと今日のチケットゲット。昨日のは、一昨日見られなかったプレスが流れたんだろうけど、いずれにしても注目作。

今のエリザベス女王の父親にあたるジョージ6世の吃音との戦いのお話。コリン・ファースは無理なくキングをやれる育ちのいい雰囲気を持ちつつ、吃音の原因ともなっている子どもの頃のトラウマを感じさせるような人間くささもちゃんと出せてるとこがいい。昨年シングル・マンでノミネートだけで逃してるし、コリン・ファースにオスカーあげてもいいと思う。

主治医役のジェフリー・ラッシュも相変わらずいいし、ジョージの妻役のヘレナ・ボナム・カーターも、人気のあるクイーン・マザー、実際にこんな人だったら、そりゃ人気も出るよという感じにいい。こちらの2人が助演でオスカーもありかも。衣装や音楽、脚本とか、いろいろな分野でオスカー狙えそう。

十三人の刺客

公式サイト 十三人の刺客

三池崇史によるエンターティメント大作。しっかり楽しませてもらった。意外だったのがスマップの稲垣吾郎。血も涙もない役がピッタリ。ふーむ、そういうのがハマル人だったんだ。一般上映だと、観客の反応も面白い。戦う前に名乗りをあげたり、切った後、ぐっと顔を作って、ためる演技みたいな感じのとこで笑うんだな、これが。歌舞伎なら何とか屋ーとか掛け声がかかりそうなとこだけど。腹切りや、スパッと首が切れてころがったりするのでも、うけてる人がいた。有り得ないと思うんだろうか。


映画ニュース/インタビュー

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