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誰でもメソッドアクター

ロンドン映画祭試写のうち、興味深い実験という意味で面白かったのがドキュメンタリー映画Self Made/セルフ・メイド(原題)

メソッドアクターの男性講師のもと一般応募者が俳優にチャレンジ。

みんな、最後には、そこいらの下手な俳優より、いい演技を見せるようになる。

そうなるまでの段階が面白い。

椅子にダラッとリラックスしてアーーーと声を出す練習。時々はっ!なんて咳払いみたいに力を入れる。これが毎回のウォーミングアップ。

その後に、講師の人が言うイメージを浮かべる。「お風呂に入っています」みたいなイメージしやすいとこからはじめて、悲しかった思い出まで誘導されてた。このへん、催眠術またはなんかのセラピーみたい。

そうやって引き出されたいろいろをもとに、その時の感情を出せるような脚本が作ってもらえる。

その主演を自分がやる。

と、おおまかに言うとこんな感じ。もう少し練習みたいなのも入るけど。

というわけで、自分の内面の奥深くに秘めた強い感情を呼び起こす物語で、みなが演じるから、上手いわけだ。脚本を作るまでの過程が感情を出す練習にもなってるし。

一般応募者の中に、そこそこ活躍しているプロの俳優さんもいて、その対比も面白かった。この人、早い、早い。つらい思い出セッションで、あっという間に号泣。というと嘘泣きみたいだけど、そこから平常心に戻る方が、ちょっと時間が必要だったので、ほんとうに、なにやらつらいことを追体験してたみたい。

なんというか、海女みたいに、感情の海の深海に潜って、お目当ての感情を拾って戻ってこられる道がついてるみたいな感じ。しかも潜るスピードも早いみたいな。プロの俳優って、その回路が通じた人のこと?

セラピーみたいと思った練習、実際に、その効果があった人もいたのが、また興味深いところ。父親との関係に問題があったらしい女の子が、リア王を現代劇にしたような脚本で演じて、その後、父親と連絡もとるようになったというオマケもついてた。

かと思うと、上手く演じても、実生活の問題は変わらなかった鬱気味のおじさんもいたりで、演技で治療みたいなことが皆に一律に起こるわけでもないのも、ますます興味を引かれる。人間って、演技って、不思議。

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正統派と実験映画

昨日はロンドン映画祭試写2本の後、レインダンス映画祭でアレクサンダー・マッケンドリック・メモリアル・レクチャーという長い名前のイベントのマイク・ニューウェル監督トークショー

 

Of Gods and Men(Des Hommes et des Dieux)/神々と男たち(邦題)

公式フェイスブックDes Hommes et des Dieux | Facebook

テロリストに拉致され殺害された紛争地域の修道士達の実話が基になった映画。起こったことはニュースになるほどのことなのに、この映画の一番の見せ場が、修道士たちがワインを飲むシーンだというのが、すごい。セリフもなく、ワインを飲む顔のスローモーションに音楽がかぶさるだけ。それで、生きる喜びから、これから起こることへの予感、怖れ、後悔、あきらめ…そのほかもろもろ、この状況にある感情、人生の全部を見た気さえする。映画は筋立てで見せるより、やっぱり細部と思いました。

 

Self Made/セルフ・メイド(原題)

カメラ前でいろいろやらされる人を見るのは面白い。一般人を俳優にさせる実験みたいなこの映画を見つつ、俳優って…を考えた。これはまた別のおりに。

 

ニューウェル監督、実は日本びいき?と思ったトークは映画ニュースのほうで是非ご覧ください。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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