Posts Tagged 'ルパート・マードック'

隠しテーマはフェイク?

昨日は、テレビ深夜映画でドキュメンタリー2つ。

Exit Through The Gift Shop

去年ベルリンで見逃した、アーティストのバンクシーが監督した話題作。

バンクシーを撮ったフィルムメーカーをバンクシーが逆にまとめた映画かと思ったら、フィルムメーカーがあやしい。何でもフィルムに納めなくては気がすまない、ちょっと変人が、いとこのグラフィティーアーティストを撮ったことから、その世界に魅せられ、バンクシーにまでたどり着き…

というあたりまでは、素直にそのままドキュメンタリーと思わせるけど、その変な人が、自分でもアーティストになって、すごい金額で作品が売れる顛末が、最初のショーで足は折るわ、会場作りそっちのけでインタビュー受けちゃって大変になるわ、面白すぎ。

お披露目されてすぐから、このフィルムメーカーはバンクシーが作った人物?との疑惑が出てた。仕組んだとしても、ほんとに変なフィルムメーカー/アーティストを取り込んだドキュメンタリーだとしても、バンクシーって、ほんとクレバー。

Starsuckers

こちらは一昨年のロンドン映画祭で、クリス・アトキンス監督にもワクワクしながらインタビューできた小品ながら面白いドキュメンタリー。セレブをめぐる文化を、スター志望の子どもたちからタブロイド紙の裏まで、そうだったのか!というお話を含め見せてくれる。

最初見たとき、一番ショックだったのが、LIVE8の裏側。マードック・グループほか大手ががっぷり組んで、感動イベントとしての盛り上げが大成功だったということらしい。善意だけで参加した人もいたかもしれないけど、乗せられちゃってた部分もありそう。そういや、募金がどう使われたかなんて、追ってもなかった。当時、関連記事書く機会がなかったのが不幸中の幸い、大感動記事にでもしたてちゃったら赤っ恥だったと試写時、胸をなでおろしたもの。

今見直すと、ルパート・マードックはじめ渦中のみなさまが総登場してるのも、なかなか感慨深い。映画中でも盗聴については触れてたけど、2年後にこんな大騒動になるとは思わなかったなあ。

チャンネル4で、間に別の番組を挟みつつ、並べて放映。隠しテーマはフェイク?こういうの続けざまに見ちゃうと、良いことにしろ悪いことにしろ何かを仕組んで成功させるのはやっぱり頭の良さと思えてくる。

今回のイングランド暴動も、きっかけとなった警官の発砲というのが、警官にも非がありそうなことだっただけに、うまく持っていったら、世間を巻き込んでの警察糾弾くらいにはなったのに。単なる器物破損と集団強盗になっちゃったからな。

前回書いた中高生どころか、小学生も混じってたらしいから、そんな年端もいかない子どもらに頭のいい動きを求めるのは無理ってものかもしれないけど。

公式サイト

Exit Through The Gift Shop

Starsuckers

エイミー・ワインハウスあさる阿呆に飲む阿呆

一昨日のルパート・マードック・ドキュメンタリー、ジャック・ペレッティという人だった。

以前、エイミー・ワインハウスやブリットニー・スピアーズのドキュメンタリー・シリーズをやってた人。タイガー・ウッズやマイケル・ジャクソンとかもあったな。レポーター、ナレーションのほか、ディレクター、プロデューサーも務めることがあるようだ。セレブのスキャンダル専門かと思ってた。あっ、ルパート・マードックも今やスキャンダラス・セレブか。

報じられた映像に関係者のインタビューでなかなか上手く構成する。こないだのエイミー・ワインハウスの焼き直し追悼ドキュメンタリーも、上手すぎるくらいだった。

エイミーが芸能スクールに通っていた12歳の時に書いたという「自分の歌を聴く人が、ほんの5分でも人生のつらさを忘れてくれたら」という文章を紹介して、番組最後に「エイミーは自分の歌を聴かなかったのか」とかなんとか言って締めてた。

最初に流された2008年にも見たのに、今回の再編集分も見て、クサイ締めと思いつつ涙してしまうのが情けない。第一報を聞いて以来、ニュースや関連番組逃さないのが、自分でも浅ましい気がする。死因一つとってさえ、エクスタシーが原因ではと書いてるとこもあるけど、この3年薬には手を出してないと父親は言ってるし、結局、1ヵ月後になるという検死結果を待たなくてはわからないのに。情報をあさって、ショックを受けた気持ちの落ち着きどころを探してるのか自分。

カムデンの自宅前で、お酒飲んで追悼パーティーみたいな騒ぎになって警察が呼ばれたというニュースもあった。追悼するのと、追悼していることをアピールするのは別。ショックを、お手盛り情報で方向づけたり、つるんで人の迷惑になったりせずに、自分の中でひっそり抱えていられないものかと自戒も込めて思う。

悪徳な人々

昨日はテレビの深夜映画でGomorrah/ゴモラ鑑賞。

マフィアをドラマチックに描いて見せたのがゴッドファーザーなら、こちらはドキュメンタリーかと思うようなリアリティで見せる。どこであんな生々しい顔の役者さんを集めたんだろう。これが初演技となる役者さんも多いようだから、素人さん含め、それらしい顔の人を募ったんだろうか。いずれにせよ配役大正解。

話も事実に基づいているようだ。びっくりするような話が続々出てくる。マフィアって、あんなことからこんなことまで牛耳ってるわけね。BBCだったけど、映画中にも登場するマフィアの地カモッラのドキュメンタリーも映画前に放映。そのドキュメンタリーに負けないくらいのリアリティを感じさせる映画。カンヌグランプリも納得。

公式サイトGomorra | Official Web Site

 

今日は、ルパート・マードックのドキュメンタリーがあった。こちらはチャンネル4。内容よりレポーター役(ディレクターも兼ねてるのかも?)が気になった。エイミー・ワインハウスのドキュメンタリーもやってた人。ワインハウスは、前にやったのを、ナレーションつけかえて、ちょこっと新しい映像も足して昨日、追悼として流してた。この人、後で調べてみようっと。

 

もう1つ、今日はハリポタの特番もあった。こちらはハリポタ映画シリーズも週ごと放映中のITV。ハリポタのシーンからベスト50を選ぶ(投票させた?)やつ。1位が、初めてホグワーツを訪れるシーンって、まあ、そんなとこかな。これ、コマーシャルにハリー・ポッター死の秘宝Part2と、週末に自局でやるハリポタ映画まで入る。テレビ局と映画会社とで大プッシュの一挙両得番組。

見せ場の見つけ方

昨晩からBBCでベン・ウィショーのドラマが始った。相手役はロモーラ・ガライ。50年代のテレビ界を舞台に、ジャーナリスト役のウィショーが殺人事件に首をつっこむことから、いろいろ起こるらしい。ガライはウィショーの仕事仲間役。これから恋愛模様になるのかな?

両方とも上手い役者さんだけど、ウィショーは個性でもある腺病質な雰囲気で役が限られてしまうし、ガライはぽってりしてるのとタレ目でスウィートすぎるのが損してる。ぽってり具合ではアビー・コーニッシュも近いけど、目元がキリッとしてるからシリアスな役もはまって有利。

今回、ウィショーはシャープなジャーナリストの感じだし、ガライも50年代のクラシックなスーツが甘さを中和してグッド、ドラマもなかなかスタイリッシュで展開が楽しみ。

公式サイトBBC – BBC Two Programmes – The Hour

宣伝もいっぱい流してたBBC一押しドラマのようだけど、昨日はやっぱり、ルパート・マードックのNOTW盗聴事件答弁に話題集中。昼過ぎからで、職場のパソコンで見てた人が多かったらしく、パソコン回線に支障が出たオフィスもあったようだ。

答弁自体は、予想通り上手くかわすものだったけど、見せ場になったのがマードック夫人。シェービング・フォームのパイ皿をルパートにぶつけようとした男を殴りつつ取り押さえたウェンディー、右フックが決まったとか言われて、ちょっとした人気者に。

ルパートのすぐ後ろに目を引くピンクのジャケットで座ってて、派手な中国系か日系秘書?と思ってたのがウェンディーだった。夫の半分位の年齢。中国でいろいろしきってるビジネスウーマンらしい。

犯人の男は売れないコメディアンだそうだけど、マードック一家の好感度をあげる結果になって大失敗。だいたい、パイや卵をぶつけるのが効果的なのは、威風堂々の相手に限る。メディア王たって、80歳の小柄なおじいさんだから、クリームまみれにされても、可哀想に見えて同情票集めるだけ。哀れなコメディアン、ここでも良い筋立てが書けなかったのね。

ケネディ、ハリポタ、NOTW…結末それぞれ

今日で、The Kennedysが終了。前回でケネディ大統領が暗殺されて終わりかと思ったら、まだ続いた。ケネディ家の人々だから、大統領だけの話でもなかったのね。それなら、ロバート・ケネディ役バリー・ペッパー(プライベート・ライアンの狙撃兵役が印象的)もよかったし、ロバートの話がもう少し長くてもよかったのに。ちょっと食い足りない。マリリン・モンローとの話なんて、ほんのちょびっとだったし。壮大な一家の話をたった45分×8回で納めてるから無理もないけど。ケネディ家と時代をおおまかな流れで見るつもりなら、役者もそろえてるし、それなりに楽しめそう。

終了と言えば、ハリー・ポッターと死の秘宝Part2が今日から公開。MSNとYahooの映画コーナーに別メンバーのインタビュー、ロンドン発 俳優・映画情報に映画紹介が掲載されましたのでよろしく。インタビューは映画内容にふれてる部分が混じるし、映画紹介は気分がさめるかもしれない裏話つきなので、先入観なしで見たい方は映画鑑賞後にお楽しみください。

結末どころか、まだまだ拡大しそうなのがNOTW事件。ニュース・オブ・ザ・ワールド紙だけでなく、ルパート・マードック傘下の別紙でも同様の盗聴疑惑。ジュード・ロウがザ・サン紙を訴えるとか、アメリカでも9.11事件の被害者を盗聴してたとか、広がる一方。有名人の盗聴では数年前から騒がれてたのが、殺害されたミリー・ダウラーの盗聴もしてたということで、一気に新聞廃刊になったと思ったら、ここにきてゴードン・ブラウンとかウルリカ・ジョンソンとか被害者だという人が続々登場してきた。今更という気がしないでもない。

NOTW事件で浮上のヒュー・グラント

ハリポタを追ってた間に、世間はニュース・オブ・ザ・ワールド紙の事件でもちきりになってた。

芸能人の電話盗聴ばかりか、少女殺害事件でも盗聴してたとか、警察に裏金渡してたとか、保守党との関係とか、もう政界まで巻き込んだ騒ぎ。メディア王ルパート・マードックを、誰も敵に回せなかったということ?

ここにきて株をあげてるのがヒュー・グラント。盗聴被害にあった1人として、ニュースだの討論番組だのに登場してる。「ジャーナリズムではなくマネー、マネー、マネーだ」みたいに短くバシッとキメるのが上手い。フォー・ウェディング以来の、パワフルなパフォーマンスとほめる(?)人もいた。

グラントも、ラブコメの帝王はきつい年齢になってきてるから、ここで次につなげてはどうだろう。政治家?アメリカと違って、俳優の政治家ってイギリスではダメかな。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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