Posts Tagged 'ミシェル・ウィリアムズ'

新顔も良いウェス・アンダーソン監督オムニバス

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月10日

The French Dispatch

ビル・マーレイとかアンダーソン監督作お馴染みの顔は、もう居るだけで可笑しい域だけど、今回は新顔も楽しい。

新聞社を舞台に、そこで扱うネタごとのお話になっているオムニバス風。

ベニシオ・デル・トロとミシェル・ウィリアムズ、画家とモデルと思いきや実は…が既にオチなうえ、さらにひねって笑わせる。

今、売れっ子の2人、ティモシー・シャラメとフランシス・マクドーマンドの組み合わせも、年齢から何から違いすぎるのをカップルにしちゃったのも可笑しい。

公式サイトhttps://www.searchlightpictures.com/thefrenchdispatch/

様々起こり過ぎる娯楽作と物足りないような本格作

第60回ロンドン映画祭開幕8日目

 

Prevenge

Sightseers出演、脚本のアリス・ロウ初監督長編ということで、ダークコメディー具合がそれと近い連続殺人妊婦のお話。

公式サイトhttp://www.westernedgepictures.com/prevenge/

 

Brimstone

声を失った助産師(ダコタ・ファニング)と、わけあり風な神父(ガイ・ピアース)というところで興味を引くも、早い段階で悪者と良い者がわかって、あとはどんだけ悪いかという話になる。カウボーイ風のキット・ハリントンが出番は少ないのにヒロイックなおいしい役。

公式サイトhttp://www.brimstonethemovie.com

 

Snowden

エドワード・スノーデンをジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じるオリバー・ストーン監督作。告発そのものとなったドキュメンタリーCitizenfour の方が生々しさ、スリリングさでは勝るけど、スノーデンがヒーローに見えるのはこちら。てんかんだったこととか恋人のこととか知らなかったし。

公式サイトhttps://snowdenfilm.com/mobile/

 

Certain Women

プレス試写で他の見逃せないのと重なり、泣く泣く見送ったのを一般上映で。ほぼ満席だったのは、やっぱりプレス?ローラ・ダーン、ミシェル・ウィリアムズ、クリステン・スチュワートがそれぞれ主演する短編3本みたいな感じ。ゆるく繋がってはいるけど。それぞれ30分弱位だから、起承転結の起かせいぜい承くらいなとこでスーッと終わるのが余韻を残す。

ロンドン映画祭からのお勧め作品その2

50くらい見たと思うロンドン映画祭参加の新作の中から、よかったものをあげてみる昨日の続き。

 

傑作 Another Year/アナザー・イヤー(原題)

公式サイトAnother Year – Film4

ビートルズ派それともストーンズ派?みたいに、イギリスではローチ派それともリー派?ということも言われる2大巨匠。うーむ、どっちも好きだけど、今年の参加作2本に限っていえば、ケン・ローチ監督のRoute Irishよりマイク・リー監督のこっち。サラリとユーモラスに人生の深みを垣間見せる手際が見事。

男性なのに、いつも女性をリアルに描いてみせるリー監督だけど、この映画の初老を迎えようかという独身女性には、まいった。そうそう、女の人ってそうなんだよなーって、悲しくなるくらい。演じるレスリー・マンヴィルも助演女優賞をあげたいくらい上手い。

 

すごい新人 The Arbor/ジ・アーバー(原題)

公式サイトArtangel | Clio Barnard: The Arbor

典型的と呼びたいようなワーキングクラスの家からでて、結婚せずに最初の子を産みパブ通い、死んだのもパブという人生を歩んだ作家アンドレア・ダンバーを、新人のクライオ・バーナード監督が新しい手法で見せる。

ダンバーの家の近所らしい住宅地の野原にリビングセット置いて、そこで一家の物語が進み、それをご近所さんたちが囲んで見てたりする。それが関係者が話すドキュメンタリー部分(と見せて、役者さんだったりする部分もあり)と組み合わされると、両方のリアリティが増して見える。新しい試みをいろいろしてて、はずしてないというのが、すごい新人監督。

 

胸が痛むロストラブストーリー Blue Valentine/ブルー・ヴァレンタイン(原題)

公式サイトBLUE VALENTINE – Official Movie Website

ライアン・ゴズリングの歌とウクレレ(バンジョーかも?)にあわせて、ミシェル・ウィリアムズが路上でちょっと踊るシーンは、出会いの頃のカップルの可愛いシーン1番をあげたいくらいにいい。

そんなにいいカップルなのに、歯車がずれていく(これも生々しく描かれててグッド)のは、あまりに残念で、変わってしまった方、というか、本性(トラウマ?)が出てきた方のミシェル・ウィリアムズに腹立ちさえ覚えてしまった。これ見た人は、きっと、そりゃないぜミシェルと思うはず。

その後にインタビューしたデレク・シアンフランス監督が、映画中の結婚後のゴズリングに似てる気がした。ヘアスタイルとかヒゲとかタトゥーとか、ほぼ同じだったような。自分をモデルにした?夫に共感させるように描かれてるのはそれが理由?

でも構想から今までに結婚して子どもを持ったとは言ってたけど、離婚は言ってなかったし、両親の離婚が動機の1つとも言ってたから、お父さんがモデルで自分もお父さんに似てるだけ?いずれにしても、男性監督が男性側に有利?に作ってる気もする。でも、とってもいいラブストーリー、正確にはロストラブストーリーになるかな、だけど。

コミック・リリーフ後にマイク・リーのリアルな一人身初老女

ロンドン映画祭試写

 

Africa United/アフリカ・ユナイテッド(原題)

公式サイトAfrica United

毎年、数十億円を集めるイギリスのチャリティ、コミック・リリーフ参加映画。企業の協賛も多く、いつものお菓子がコミック・リリーフ用パッケージで出たりして、チャリティのお金集めは上手いと思うイギリス。映画の方は、お子様と安心して楽しめそうな軽めの仕上がり。会見のアフリカの子どもたち、しゃべるの苦手そうな子もいて可愛かった。

 

Another Year/アナザー・イヤー(原題)

公式サイトAnother Year – Film4

イタいぞ、これは。いや映画の出来じゃなく、一人身の女性にとって。いつまでも高望みしてると寂しい老後になりますよ、というメッセージを感じてしまう。曲解してるのかもしれないが。

映画自体は、渋い俳優陣もそろい、日常を丁寧にすくって人生を感じさせるマイク・リー監督の持ち味をたっぷり味わえる。佳品と言ってもいいと思う。だが、1人暮らしの初老になろうかという女の寂しさが、すごくリアルなうえ、淡々と終わってしまうことで、よけい際立つ。けっこう笑えるシーンもあって、サラリと見せてるけど。

こないだのBlue Valentineの、現実的で、ちゃっかりしてて、つらいときには頼るくせに、余裕ができたとたんキョロキョロする、ミシェル・ウィリアムズが演じた妻役に続いて、女性のあまり見たくない面をつきつけられた気がする。

向上心のない男だっていいじゃないか!

ロンドン映画祭試写

 

Blue Valentine/ブルー・ヴァレンタイン(原題)

公式サイトBLUE VALENTINE – Official Movie Website

壊れかけてる夫婦のお話に出会いの頃のお話がかぶさって進む。一昨日書いたMeek’s Cutoffに続き、ミシェル・ウィリアムズが出てた。対する夫がライアン・ゴズリング。こういう映画だと、やはり妻側に感情移入しつつ見ることが多いけど、この映画に限っては夫側にドップリ同情。向上心がない奴だっていいじゃないか!高校卒業してないような男だって最初から知ってたじゃん、それを今更あんたひどいよミシェル!と思ってしまうほど、出会った頃のゴズリングが底なしに優しい。踊りが上手いのは知ってたけど、歌もいける。さすがミッキー・マウス・クラブ出身。

 

The Tillman Story/ザ・ティルマン・ストーリー(原題)

公式サイトThe Tillman Story

パット・ティルマンという人気アメフト選手が入隊し戦死する。その時の状況を隠そうとする軍と家族の攻防のドキュメンタリー。軍にとってマイナス材料となることで公にされないでいることは山ほどあるんだろうなあ。ジョシュ・ブローリンがナレーション。

 

Upside Down:Creations Records Documentary/アップサイド・ダウン:クリエーションズ・レコーズ・ドキュメンタリー(原題)

公式サイトCreations Records Documentary | Upside Down Movie

オアシスとかプライマル・スクリームを世に出したクリエーションの盛衰を振り返るドキュメンタリー。途中ちょっとダレた。同じ音楽ドキュメンタリーなら、去年のロンドン映画祭で見たOil City Confidentialの方が断然面白かった。こういうの見るとジュリアン・テンプルの上手さがわかる。物語を感じさせるかどうかが分かれ目か。

* アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリーという邦題で8月27日公開のようです。2011年7月22日追記

自分で考えなさいの結論、説明なし映画

昨日はロンドン映画祭試写後、レインダンス映画祭で日本映画鑑賞。

Meek’s Cutoff/ミークズ・カットオフ(原題)

西部開拓時代のワゴン旅団のお話。女や子どももいる10人足らずのグループがワゴンを連ねて荒地を行く。ミークという人の実話が基になっているらしい。捕まえたインディアンをすぐに殺そうとするミークだが、水のある場所を知っているだろうという他の者の意見で生かして連れて行くことになる。果たして水のある場所につけるのか?

ミークと、インディアンに食料を与える女の間に緊迫したものがある。それがどう爆発するかを期待して見ていると、肩透かしを食う。でもそこが良くもある。頼りなげな一員役のポール・ダノ、リトル・ミス・サンシャインのしゃべらないお兄ちゃん役から注目してるけど、やっぱり上手い。ミークと敵対するような女を演じるミシェル・ウィリアムズも、このところ映画祭では必ず見てる気がする。いい作品を選んでるな。

USB

映画「USB」公式サイト

主役の青年が、なかなかひどい奴なのがいい。淡々とした日常を営む桃井かおりが演じる母と、家では普通に暮らしているという設定も、外でのひどさを際立たせる。何の説明もなく、そんなキャラクターになってるから、いろいろ補って考えながら見られる。核の問題を扱っているけど、そこはスルーして見ても面白い。作った方はそこスルーされたら、たまらないでしょうが、好きに見られるのが映画のいいとこ。大杉漣とか野田秀樹もいい味だしてる。

主役の人は知らなかったけど、渡辺一志という人らしい。今調べたら、映画監督だって。日本からもどんどん新しい才能が出てるんだなあ。オオッ、ハーモニー・コリンをサポートしてる、あのアニエスbに気に入られて、映画が海外公開されてる!うーん、そっちも見たいぞ。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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