昨日の夕方のニュースでチャンネル4の看板キャスター、ジョン・スノーが仙台からリポートしていたのをはじめ、日本に続々イギリスのジャーナリストが到着。今朝もBBCの女性リポーターが石巻から、ついさっき鳴り響いたという津波警報について緊迫した面持ちで伝えていた。
イギリスは地震のない国だ。全くなくはないが、この13年間にロンドンで体感した揺れは1回だけ。震度2、いや3だったかな。どちらにしろ、たいしたことない揺れが短い間続いて終わり。それでも、天地がひっくりかえったように騒いでいるロンドナー「地面がゆれたのよ!」と目を丸くしている生まれて初めての地震体験だったらしいご婦人などもいた。慣れていないだけに地震にすごくショックを受けるし、その感情を表にも出す人たちだ。
イギリスから行ったジャーナリストは、芯から怖がったり、緊迫したりしながら、驚愕の惨状を世界に広める役を果たしてくれるだろう。
と、上の部分は朝書いたのだが、地震の威力をイギリス人は、ほんとうには知らないのではと、ちょっと斜に構えてしまったかもしれない。夕方、ジョン・スノーとアレックス・トムソンのコンビでの仙台と気仙沼のリポートを見て反省。
それぞれ津波後の廃墟を訪れ、父母を、娘を流された人の話を聞き、車に残された手作りらしいサンドイッチが入ったパックを映し出し、崩壊した家のドア前にカバーをかぶされてある顔も名前も知れない遺体を遠くに見ながら「誰かの愛する人であったろう人」と、どこかにいて心配しているかもしれない家族、知人に思いがいくようなナレーションをかぶせる。
日本人には痛々しすぎるけど、それだけに、遠く離れた異国の、想像力のかなり乏しい人でさえ、自然の驚異だけではなく、そこで暮らす人のことが実体をもって思い浮かべられるようなものだった。