Posts Tagged 'ザヴィエル・ドラン'

第58回ロンドン映画祭9日目

Foxcatcher 試写+会見

実際にあったミリオネアによる五輪レスリング金メダリスト殺人事件の映画化。ただごとではなくドヨヨーンとした雰囲気漂わせるチャニング・テイタムもすごいけど、スティーヴ・カレルが別人みたいになってミリオネアを演じる。カレル、少なくともオスカー候補にはなりそう。ベネット・ミラー監督とカレルが真面目に会見。

公式サイトhttp://sonyclassics.com/foxcatcher

Son of Gun

ユアン・マクレガーとかアリシア・ヴィキャンデルとか役者は良いのに。どんどん話がイージーになってしまうギャング物。

A Little Chaos

ケイト・ウィンスレットがフランス王朝に使える園芸家を演じる、アラン・リックマン監督作。悪くないけど、もっとメリハリがあってもいいような。

公式サイトhttp://www.bbc.co.uk/bbcfilms/film/a_little_chaos

Mommyレッド・カーペットでグザヴィエ・ドランを拝む。

第58回ロンドン映画祭8日目

Whiplash 試写+会見

J.K.シモンズが指導者で、マイルズ・テラーがドラマーを目指す青年の、音楽鬼コーチもの。やみくもな青年の努力がジーンとさせるし、鬼コーチがひどすぎて笑える。デイミアン・チャゼル監督の自伝的映画だったのか。映画を見てる観客が、コンサートを聞いてる観客になるかのようなエンディングがばっちり決まってる。会見ではシモンズ、テラーのかけあいも面白かった。

渇き。の中島哲也監督インタビュー

小説からの映画化のことや、豪華キャストから振り切れた演技を引き出せた秘密など、いろいろ聞けました。

Mommy

グザヴィエ・ドランの新作。今回は出演無しで監督、コスチュームetc.裏方のみ。I Killed My Motherから一巡して、またお母さんに戻ったけど、今回の子どもはADHDでトラブルばかりのティーンエージャー。また、ものすごい熱量のパッションを見せる。こちらも、絶妙のエンディング。ドラン、若いのに、なんだって、こんなに達者なんだろう。後年、全てやりつくして、映画作るのに飽き飽きしてたというキューブリック監督みたいなことにならなきゃいいけど、なんて気の早い、余計なお世話な心配。

 

※レインダンス映画祭が始まる前頃に観てたHoudiniMAKE A NOISE! 第43回に書きました。観た新作を忘れないように書いてるブログに書き忘れたら処置無しだ。

 

 

3本とも上出来!

昨日、ロンドン映画祭、プレス試写での2本後、一般上映で1本

Gravity(Gala)

サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーで3Dと聞いただけでおなか一杯、見る気がしなかったのが、予想してたのと違ってた。見てよかった。誕生みたいなのが隠しテーマ。実際に赤ちゃんは登場しませんが。

公式サイトhttp://gravitymovie.warnerbros.com

ゼロ・グラビティとして12月13日より公開中(2014年1月16日追記)

Tom at the Farm(Official Competition)

グザヴィエ・ドランの4作目。この人は、何でも、面白く作るなあ。

公式フェイスブックhttps://www.facebook.com/tomatthefarm

Borgman(Laugh)

ホームレスと思ったおじさんが実は…。ダークで笑えるコメディ。好み。あっ、公式サイト、いきなり素っ裸の人ですが、Hな映画じゃないです。

公式サイトhttp://drafthousefilms.com/film/borgman

試写2日目 疑問氷解

ロンドン映画祭試写2日目。()内は映画祭カテゴリー

Laurence Anyways (Love)

ザヴィエル・ドランの監督3作目。悪くないけど監督デビュー作の衝撃は超えなかった2作目を経て、3作目ではっきり力量を見せた。現在23歳のドランが主演もした前2作の若者の恋より、もっと人生の重さがのしかかってくる大人の愛。前2作同様、脚本やプロデュースに衣装とかもドランが手がけてる。主演や相手役もぐっと年齢が上がってて、今回ドランは出てないのかと思ったら、パーティーシーン台詞なしで1コマだけ顔出し。

性転換を考える教師兼作家の男性と、その恋人として長年連れ添った女性の10年に渡るお話。偽りの自分を生きてきた男性と、それを打ち明けられる女性の両方が描かれる。お互い愛し合ってるだけに、つらい。自伝的なデビュー作は、本人が演じた息子役はもちろん、お母さんもしっかり描けてるのが凄いと思ったけど、今回も、ちゃんと男女両方に等分に目が行ってる。それが極端な題材でも独りよがりな作品にならない秘訣かも。ヘビーにかぶせる音楽とか、スローモーションとか、相変わらず効いてる。いい映画の予感がビシバシのオープニングに負けないエンディングには拍手もあがってた。

関係ないけど、主人公の台詞で1つ疑問が氷解。性転換してしばらくたった主人公が、女性として自信がついてきたか?という質問に答えて、自信はない、けど、決意はある、とキッパリ。綺麗な女装の人を見ても、ふうーんてなもんだけど、ショーン・ビーンが女装でやった役→BBC One – Accused, Series 2, Tracie’s Storyみたいな、ごつさの残る女装の人には、頑張れという気持ちになるのは、それだったのか。決意が見えるんだね、女をやっていくぞ、っていう。女装の(元)男性に限らず、決意して、それを引き受けていく気概が見える人は、かっこいい。ローレンスも、かっこいいです。

公式サイトLaurence Anyways

わたしはロランスとして2013年9月7日公開(2013年9月7日追記)

Shell (First Feature Competition)

他に何もない道の途中のガソリンスタンドに住む父と娘のお話。少女から大人へというところの危うく、みずみずしい娘と、娘に頼らなくてはならない持病のある父。少ない登場人物で緊迫感がある。父役のジョゼフ・マウルとか、通りすがりのケイト・ディッキーとか上手い俳優さんたちは、やはり見せるけど、主役の若い新人女優さんも良かった。

The Hunt (Debate)

濡れ衣を着せられ、地域の嫌われ者になっていく男の話。これだけ見たら、まあまあ面白いと思えたかもしれないけど、上2つと並べて見ちゃうと、どうしても、普通のドラマに思えてしまう。ゆるさも目立つし、先が読めちゃうし。マッツ・ミケルセンがかっこよすぎるのもマイナスかも。もうちょっと、嫌われそうな、やな感じの人が主役なら、もっとリアリティ出たはず。いや、かっこよすぎて嫌われてる?ジェラシー?

3作目のお2人

ジェニファー・ロペスとWhat to Expect When You’ re Expectingについて書いたENGLISH JOURNAL2012年 10月号が出ました。

恋愛だけじゃダメかしら?として2012年12月15日より公開予定。(2012年11月4日追記)

JLoと言えば、ベン・アフレックの新作がロンドン映画祭に来る。JLoとくっついてた当時は、印象薄かったけど、長編監督デビューGone Baby Goneで見直した。弟のケイシー・アフレックを主演にすえたのも正解。自分が主演の2作目ザ・タウンも悪くないけど、やっぱりデビュー作がインパクト大。さあて3作目はどうでしょ。

トレイラーGone Baby Gone – Movie Trailers – iTunes – Featurette

3作目と言えば、ザヴィエル・ドランの3作目も来る。この人も、やっぱり1作目が2作目より断然良かった。今度のは、自分は出ずに裏方に徹してるようで、それはそれで楽しみ。しかし、23歳で監督3作目とは恐れ入る。しかもそれぞれ高評価。綺麗だし。日本でも受けそうな綺麗さだと思うけど、なぜにどれも未公開?イケメンにゲイもストレートも関係ないはず。

イングリッシュ・ジャーナルには、岩井俊二監督のインタビュー記事もあって、ベルリン映画祭でのヴァンパイア上映時を思い出しました。

なんちゃってアメリカ文化圏、日本

ベルリンで、何書いてあるかわからないままペラペラめくってみた雑誌に、公開映画の星取表を発見。

このブログでも10月のロンドン映画祭からお勧めとしてあげた英国王のスピーチAnother Yearがしっかり5ツ星なのは、納得のいくところで、うれしいけど、ザヴィエル・ドランの監督デビュー作I killed my motherも同じく5ツ星だったのにはオオッと喜ぶ。勢いつけなくても、ちゃんといいものが作れるという意味で昨年のロンドン映画祭で見た2作目も評価するけど、やっぱり、デビュー作は勢いがあって力も入ってて凄い。ふーむ、ドイツで公開なんだ。

英国王のスピーチAnother Yearは、イギリス映画だから、もうイギリスでは公開済みだけど、カナダ映画のI killed my motherは、イギリスに先駆けての一般公開。フランス語の映画だし、カンヌでお披露目されたから、フランス経由っぽい。ドイツはイギリス、フランスどっちからも情報やら映画やら入ってくるんだろうな。EUというかヨーロッパ圏というか、そういう文化圏。

日本って、洋画に関しては、ほぼアメリカ圏と、イギリスに住むようになって気がついた。アメリカでの評判、人気、話題がそのまま輸入されて、その通り評判になって人気や話題になってるふう。イギリス映画でさえ、アメリカで評判になって初めて日本でも注目してもらえるアメリカ経由が多い。アメリカにいるたくさんの我が同胞たちが、がんばって情報を送り続けてくれていることも大きいだろう。大金かけて世界で大宣伝するハリウッド・システムが効いてる国ということもありそう。

ドイツで感じた映画のヨーロッパ文化圏的な雰囲気とは別で、地理的、文化的に自然にそうなってるのではなく、人為的な日本のアメリカ文化圏っぽさ。なんちゃってアメリカ文化圏とでもいいましょうか。

ロンドン映画祭で一番見たかったもの

ロンドン映画祭試写 昨日は満足の3本

It’s Kind of a Funny Story/イッツ・カインド・オブ・ア・ファニー・ストーリー(原題)

公式サイトIts Kind of a Funny Story | A Focus Features Film | Movie Overview

自殺願望のある男の子が入れられた病院でのお話。コミカルでハートウォーミング。ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーでもあるし、人生のつらいとこを見せながらも人間賛歌にもなってる。クセのあるキャラクターわんさかだし、会話が可笑しいし、それほど有名な人は出てないみたいだけど、けっこうヒットするんじゃないかな。

Heartbeats(Les Amours Imaginaires)/ハートビーツ(英題)

公式サイトLes amours imaginaires – En salle le 11 juin 2010

今回のロンドン映画祭で一番見たかったのがこれ。弱冠20歳の天才監督!監督・脚本・製作・主演を務めカンヌ映画祭や各国の映画賞さらう『アイ・キルド・マイ・マザー』 – シネマトゥデイ (の写真向かって左がドラン)にぶっ飛んだザヴィエル・ドランの第二作目。もうすごいことはデビュー作を見て充分わかっているので、今回はぶっ飛ばなかったけど、期待は裏切られませんでした。情緒的なメロディーのテーマ曲が、なんだか日本の演歌ふうで、頭の中でリフレインしちゃう。この人については、いずれ、どこかでじっくり書きたいです。

Everything Must Go/エヴリシング・マスト・ゴー(原題)

ウィル・ファレルがシリアスに挑戦。アルコール中毒で何もかも失いつつある男を演じる。全てを失うアル中といえば、浮かぶのはニコラス・ケイジがアカデミー賞獲得のリービング・ラスベガスだけど、そこはやはりウィル・ファレル、あそこまでヘビーではない。でも、いつもとは一味違うファレルも悪くないし、レベッカ・ホールは、いつものように、いい女だし、なかなかでした。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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