第64回ロンドン映画祭 プレス試写
10月10日(土)
Wildfire
緊迫した関係のアイリッシュ姉妹から、家族の過去へと遡る。
一方はエキセントリック、もう一方は穏やかな家庭を営む堅実派。対象的な姉妹だが、そこに連なる何かがあったらしい。
深みはないけど、謎解きの興味で引っ張る。ケイト・ディッキーくらいしか知らない地味な配役ながら、けっこうみんな上手い。イギリス、アイルランドで公開予定。
映画、イギリスのあれこれ by Yukari
第64回ロンドン映画祭 プレス試写
10月10日(土)
Wildfire
緊迫した関係のアイリッシュ姉妹から、家族の過去へと遡る。
一方はエキセントリック、もう一方は穏やかな家庭を営む堅実派。対象的な姉妹だが、そこに連なる何かがあったらしい。
深みはないけど、謎解きの興味で引っ張る。ケイト・ディッキーくらいしか知らない地味な配役ながら、けっこうみんな上手い。イギリス、アイルランドで公開予定。
ロンドン映画祭試写2日目。()内は映画祭カテゴリー
Laurence Anyways (Love)
ザヴィエル・ドランの監督3作目。悪くないけど監督デビュー作の衝撃は超えなかった2作目を経て、3作目ではっきり力量を見せた。現在23歳のドランが主演もした前2作の若者の恋より、もっと人生の重さがのしかかってくる大人の愛。前2作同様、脚本やプロデュースに衣装とかもドランが手がけてる。主演や相手役もぐっと年齢が上がってて、今回ドランは出てないのかと思ったら、パーティーシーン台詞なしで1コマだけ顔出し。
性転換を考える教師兼作家の男性と、その恋人として長年連れ添った女性の10年に渡るお話。偽りの自分を生きてきた男性と、それを打ち明けられる女性の両方が描かれる。お互い愛し合ってるだけに、つらい。自伝的なデビュー作は、本人が演じた息子役はもちろん、お母さんもしっかり描けてるのが凄いと思ったけど、今回も、ちゃんと男女両方に等分に目が行ってる。それが極端な題材でも独りよがりな作品にならない秘訣かも。ヘビーにかぶせる音楽とか、スローモーションとか、相変わらず効いてる。いい映画の予感がビシバシのオープニングに負けないエンディングには拍手もあがってた。
関係ないけど、主人公の台詞で1つ疑問が氷解。性転換してしばらくたった主人公が、女性として自信がついてきたか?という質問に答えて、自信はない、けど、決意はある、とキッパリ。綺麗な女装の人を見ても、ふうーんてなもんだけど、ショーン・ビーンが女装でやった役→BBC One – Accused, Series 2, Tracie’s Storyみたいな、ごつさの残る女装の人には、頑張れという気持ちになるのは、それだったのか。決意が見えるんだね、女をやっていくぞ、っていう。女装の(元)男性に限らず、決意して、それを引き受けていく気概が見える人は、かっこいい。ローレンスも、かっこいいです。
公式サイトLaurence Anyways
※わたしはロランスとして2013年9月7日公開(2013年9月7日追記)
Shell (First Feature Competition)
他に何もない道の途中のガソリンスタンドに住む父と娘のお話。少女から大人へというところの危うく、みずみずしい娘と、娘に頼らなくてはならない持病のある父。少ない登場人物で緊迫感がある。父役のジョゼフ・マウルとか、通りすがりのケイト・ディッキーとか上手い俳優さんたちは、やはり見せるけど、主役の若い新人女優さんも良かった。
The Hunt (Debate)
濡れ衣を着せられ、地域の嫌われ者になっていく男の話。これだけ見たら、まあまあ面白いと思えたかもしれないけど、上2つと並べて見ちゃうと、どうしても、普通のドラマに思えてしまう。ゆるさも目立つし、先が読めちゃうし。マッツ・ミケルセンがかっこよすぎるのもマイナスかも。もうちょっと、嫌われそうな、やな感じの人が主役なら、もっとリアリティ出たはず。いや、かっこよすぎて嫌われてる?ジェラシー?
Red Road/レッド・ロード
イースト・エンド映画祭5月1日上映
2009年に見た中でいい映画と言えば、真っ先に思い浮かぶのがアンドレア・アーノルド長編監督映画第2作目のFish Tank。掘り出し物と思っていたら、それよりも高く評価する人もいた1作目。何時かは見なきゃと思ってた、何時かが来たわけです。
パワフルということではフィッシュ~以上かも。主演ケイト・ディッキーは、いつも細い体で力強い演技を見せてくれる。監視カメラの映像をチェックする仕事中、一生忘れないだろうという男が映像の一つに映し出され…という展開がスリリング。フィッシュ~より登場人物の年齢層が高く、生活感もにじみ出たベッド・シーンが生々しい。
公式サイトRED ROAD – Verve Pictures
*上記サイトがリンク切れとなっていましたので、こちらでどうぞ。Red Road on Myspace Films – New Films & Documentaries(2012年6月11日追記)
Fish Tankは日本ではシネマフィル・イマジカでフィシュタンク~ミア、15歳の物語として放映されたらしい。DVDも発売されるといいな。主演のケイティ・ジャーヴィスはじめ、ハリー・トレッダウェイとか若くてきれいな人も出てるし、マイケル・ファスベンダーもカリスマ全開だし、最初に見るとしたらフィッシュ~の方が入りやすいと思う。
公式サイトFISH TANK – IFC Entertainment
久々に、イギリス映画、イギリス俳優、イギリス監督でまとめられて、ちょっと満足。イギリスの映画 など というタイトルをつけたブログ、などネタの方が多くなるのも、なんだかねー。