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フォールス・アラーム

日本の大地震、原発について、日本とイギリスでは報じられ方が、だいぶ違う。

ザクッと言うと、日本では大丈夫なんじゃないかと思える情報が大きく報じられ、イギリスでは危ないんじゃないかと思える情報が大きく報じられる。

被災地日本の報道は、事実を伝えつつ、不安を煽らないようにも気を使うと思う。BBCの東京リポーターも、日英での報道の違いを指摘しつつ、大災害の後でもあるし、ショックを与えることがないよう報じているのだろうというようなことを言っていた。海外と日本での報道の差は、やむを得ないことかもしれない。

こちらでは、災害の大きさを、これでもかと思う存分報じてくれる。チェルノブイリまで48時間なんて大見出しを一面にされると、大げさな見出しをつける傾向のある新聞と知りながらも、専門家の反対意見を探さないと落ち着かない。報じられる内容で不安になって、それを打ち消す情報を探すということを連日繰り返している。

そんな報道とは別のところで判断して行われているはずなのが、国からの発表。と思い判断基準にしているイギリスから避難勧告が自国民にたいして出されたあたりでは大ショック、日本の知人たちにも、せっせと避難するようアドバイスしたりもした。フォールス・アラーム気味だったかもしれない。日頃の情け容赦ない報道で悲観的な読みに傾いていたところへの避難勧告でとどめをさされてしまった、と言い訳。

イギリスも、その後、訂正を加えた。16日あたりまでは、シンプルに、イギリス人は離れろ、原発安全圏は80キロ外、という感じだったのが、長い説明が加わった。日本政府の判断も間違いではないとしつつ、アメリカの判断も掲載し、そちらを自国民には勧める感じ。

原発の状況と、交通、通信など混乱の可能性もあるので、北海道以外で、東京と東京の北にいるイギリス人は離れることを検討すべき。日本の避難圏と、アメリカの80キロという避難圏をそれぞれ紹介。日本の指示に従えば今のところ健康被害はない。最悪の事態が起こっても80キロ外にいれば屋内にいるなどして被害を防げるというThe Scientific Advisory Group in Emergencies(SAGE)の意見を紹介、80キロ外にいるようにとアドバイス。というような内容を、英外務省サイトや駐日英国大使館サイトで、9項目、50行くらいで掲載。

事態が今より悪くならなければ日本の指示で大丈夫だそう。冷却作業がうまくいきだしたので、少し気持ちも落ち着いた。万が一、作業がどこかでつまずいても、今度は80キロ内にいる人だけに避難を勧めると思う。

日本政府に不信感、イギリス原発報道

昨日の自国民への避難勧告以来、英テレビの報道も変わってきた。福島原発の安全圏を、日本が言っている20キロから80キロに引き上げたイギリス政府の判断と同様、日本政府の発表を信頼していない。

BBCほかのテレビニュース番組に政府の科学顧問チーフ、ジョン・べディントンが登場し、状況が変わり、心配しているとコメント。変わった状況の1つが、ヘリから撮った写真でも確認された、爆発のダメージの大きさだ。アメリカは燃料棒が完全露出しているとし、日本はしていないと言っていることが、それぞれの20キロと、80キロという安全圏算出の違いらしい。露出した燃料棒の温度があがり続け、発火、爆発することが懸念されている。

そうなった際の被害の大きさは、専門家によって意見が分かれている。チャンネル4に登場した2人も、片方がそれほど大きくはないとコメントしている間に、もう一方が、とんでもないと首をふっているという具合。昨日の四方敬之(管首相のスポークスマンと紹介されていた)に隠していることはないかと問うインタビュー映像を再度流したりしていた。昨日はITVでも同様に問い詰められていた。

東京に人通りが少なくなったかわりに、飛行場、駅が混雑している様子など、東京でも避難が始っていることも報じていた。

イギリスの報道を見ている限りでは、80キロ圏外から出たほうがいいように思える。200キロくらいはあるそうだけど、万が一のために東京も離れた方が安心な気もする。

*上を書いた時には、私自身の不安もマックスだったと思います。気分に左右されて書いてしまい、フォールス・アラーム気味でした。今は、最悪の場合でもイギリス、アメリカの勧める80キロ外にいればいいのかなとも考えています。それを19日フォールス・アラームに書きました。

飲み屋で日本人の本音を聞きだしたITV

イギリスも自国民に東京から避難することをアドバイスしはじめたことで、夢から覚めた気がしている。大丈夫だと思いたかったんだな、私は。福島原発の20キロ圏外ならOKというのにイギリスも賛成なら、それほどひどいこともないだろうと。

夜のITVのニュースも、別の夢から覚ましてくれた。若めの男性リポーターが東京の飲み屋で取材、日本のみなさんと乾杯したりしながら、意見を聞いていた。みなさん、元気よく、政府の言うことなんか信用できるかと気炎を上げていた。

イギリスのニュース番組の伝えるべきところを伝えようとするプロっぽさは、なかなかのものだ。ITVも、日本人は飲むと饒舌になるとかなんとか知恵を仕入れ、本音で語る日本人の映像をゲットというところかな。他の局でも、飲みにこそ行かないものの、日本では政府不信があるというようなことは言ってたけど、日本人の口から言ってほしかったのだろう。

うっすらそんな気もしていたが、日本の耐震構造やテクノロジーを賞賛しながら報道するのも、それによって、東京あたりで倒壊したビルがなくても、大きな地震だったということも伝わる。日本人の冷静沈着な国民性を称えるのも、他の国の災害時のような天を仰いで神にむかって大声で嘆き哀しむ人みたいな映像はなくても、悲惨なことが起こっているのだと伝えたいのだろう。心にもないお世辞とは思わない。テクノロジーや国民性に驚いてもいるとは思うが、褒めながら画面から伝わりきれない部分も補っている。

意気消沈するわけにもいかないけど、元気がほしいあまりに、海外からの褒めてくれる言葉に酔って、日本すごい!とか、へんにハイになるのもやばい。

それにしても、東京では飲み屋も営業してて、飲みに行く人もいるんだなあ。一部かもしれないけど、思ったより、もうすでに普通の日常っぽくなってるとこもあるんだ。たいしたものだ。ヤケ酒かもしれないけど、飲みに行けるくらい元気な人がいるとは頼もしい。復興も早そうだ。

*上を書いた時には、私自身もかなり不安でした。気分に左右されて書いてしまい、フォールス・アラーム気味でした。今は、それほどひどいことにはならないのでは、と思います。もし、なっても80キロ外にいれば大丈夫という意味の避難圏のようです。それを19日フォールス・アラームに書きました。

フランスは避難、イギリスは

今朝のBBCテレビで、東京にいる記者が、フランスは、エールフランスに増便の要請を出し、また日本でも南の方に行くようにと、在住自国民に関東から離れることをすすめていると伝えた。

その記者を含めた在住イギリス人にイギリスがとっているのは、不必要な旅行を避けろということだ。

フランスが、原発事故に関してイギリスも持っていない情報をつかんでいるということではなく、今の状況をどう見るかが違うのではないか。フランスは、これから起こるかもしれないことを重く見て、イギリスは今の時点で起こるかもしれないパニックを重く見ているのでは。もし、そうだとして、英仏どちらが正確な予測かもわからない。各自、判断して、どうするか決めるしかないということか。

と、以上は朝に、ニュースを見て、あわてて(ロンドンにいながらパニック気味ですみません)、あげてしまったが、その後確認したら、不必要な旅行を避けろは、被災地近くには、という意味のことが英外務省サイトにのっていた。記者が言ったのもそのことか、それとも、外出は控えろという意味かもしれない。ともかく、記者はフランスとは違うアドバイスで判断が難しいというように言っていた。

イギリスでは、仙台から東京まで、在住イギリス人を運ぶバスの手配などはしているが、日本のガイドラインで大丈夫ということでは、昨日のブログであげたジョン・べディントンほか専門家の意見も変わらないようだ。

ヨーロッパ一働くイギリス人?と謙虚な消費者

もともと物覚えもよくないので、年1回しか行かない場所の習慣などは、すぐ忘れる。

ベルリンでも、ああっ、日曜は休みだった!とか、夜は買物もできないんだった!とか、しょうこりもなく毎年やってる。いいかげん覚えろよ自分。

ドイツでは、基本、日曜は休み、夜も休みということになってるようだ。中には、あいてるとこもあるだろうけど、探さないと見つからない。

盆や正月、夜中でも物が買える、ほんとうにコンビニエントなコンビニが、そこら中にある日本から来ると、イギリスでも物が買えない時間が多いのに驚く。ヨーロッパ一勤務時間が長いとか、ホリデーが少ないとかいう、働き者イギリス人説がチャンチャラ可笑しい日本との差だ。

それが、ドイツから帰ると、まんざら嘘でもないかも、と思う。24時間スーパーも増えてきて、今は、それほど不自由は感じないくらいになってるイギリスだ。

当初は消費者目線ほぼ100%で不便さばかりが気になった。でも働かされる方は、日曜や夜中まではしんどいよね。おまわりさんとか救急病院とかは、がんばってほしいけど、休んだところで死傷者が増えることもないだろうレストランや商店くらい、日曜や夜は休むのが健全とも思えるようになってきた。

日本では、働き者ではあったけど、消費者としては甘やかされてたような気もする。売る側がお客様は神様と思うのは、いい心がけかもしれないけど、お客の側がそう思ったらまずい。私の要求を満たせないとは何事!みたいなのは、やっぱり勘違いしてると思う。

だから、ベルリンで映画祭取材後、どこの店も閉まってて、宿のバーでかろうじて買えたポテトチップスを、わびしくポリポリかじりながら原稿書くようなことになっても、もう文句は言わない。店が開いてる時間にサンドイッチでも買っとかなかった自分が悪いと思える謙虚な消費者だ。

なんちゃってアメリカ文化圏、日本

ベルリンで、何書いてあるかわからないままペラペラめくってみた雑誌に、公開映画の星取表を発見。

このブログでも10月のロンドン映画祭からお勧めとしてあげた英国王のスピーチAnother Yearがしっかり5ツ星なのは、納得のいくところで、うれしいけど、ザヴィエル・ドランの監督デビュー作I killed my motherも同じく5ツ星だったのにはオオッと喜ぶ。勢いつけなくても、ちゃんといいものが作れるという意味で昨年のロンドン映画祭で見た2作目も評価するけど、やっぱり、デビュー作は勢いがあって力も入ってて凄い。ふーむ、ドイツで公開なんだ。

英国王のスピーチAnother Yearは、イギリス映画だから、もうイギリスでは公開済みだけど、カナダ映画のI killed my motherは、イギリスに先駆けての一般公開。フランス語の映画だし、カンヌでお披露目されたから、フランス経由っぽい。ドイツはイギリス、フランスどっちからも情報やら映画やら入ってくるんだろうな。EUというかヨーロッパ圏というか、そういう文化圏。

日本って、洋画に関しては、ほぼアメリカ圏と、イギリスに住むようになって気がついた。アメリカでの評判、人気、話題がそのまま輸入されて、その通り評判になって人気や話題になってるふう。イギリス映画でさえ、アメリカで評判になって初めて日本でも注目してもらえるアメリカ経由が多い。アメリカにいるたくさんの我が同胞たちが、がんばって情報を送り続けてくれていることも大きいだろう。大金かけて世界で大宣伝するハリウッド・システムが効いてる国ということもありそう。

ドイツで感じた映画のヨーロッパ文化圏的な雰囲気とは別で、地理的、文化的に自然にそうなってるのではなく、人為的な日本のアメリカ文化圏っぽさ。なんちゃってアメリカ文化圏とでもいいましょうか。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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