Lymelifeを見た。
2009年のベルリン映画祭時に、同時開催のヨーロピアン・フィルム・マーケットの方に出されてた映画。線路の上を歩く少女と、少し離れてそれを見ている少年というポスターに心惹かれつつ、その時には見られなかったもの。
ポスターで受けた印象通りの良い映画だった。あの寂しげな少年は、ローリー・カルキンくんでした。ただでさえ、しんどい思春期に、両親のゴタゴタも見なきゃいけない主人公を好演。弟を失望させてしまう兄役で、ほんものの兄キーラン・カルキンも出てる。ホーム・アローンのマコーレー・カルキンの弟たち。
実は、今まで、この2人の区別がついてなかった。キーランがサイダーハウス・ルールの薄幸そうな子で、ローリーがサインのお茶目な子だった。兄弟みんな似てて、まぎらわしいけど、これからは識別できそう。ちなみにサイダーハウス・ルールはジョン・アーヴィング原作が効いてる秀作で、サインはM・ナイト・シャラマン監督お得意のハラハラドキドキが楽しめる。
少女の方は、昨年のロンドン映画祭で見たIt’s Kind of a Funny Storyのヒロインもしてたエマ・ロバーツ。こちらも上手い。ライムライトとも似てるタイトルだけど、この少女の父親がライム病になることに、かけたもののようだ。ダニで感染して関節炎や髄膜炎など全身症状を起こす嫌な病気らしい。森の中とかに生息するマダニで、家ダニは大丈夫らしいから、まあ安心だけど。
と言っても、闘病記みたいなものではなく、サラリとダークな話にまとめてる。感染するわ、女房に愛想つかされるわで踏んだり蹴ったりのティモシー・ハットンの屈折具合もいいし、その敵役になってしまう主人公の父親役アレック・ボールドウィンもはまってる。
少年、少女の恋と、その2家庭のゴタゴタと言えばアメリカン・ビューティーもそうだった。どちらも好きだけど、ライムライフはインディペンデント映画っぽさも魅力になってる。アメリカン・ビューティーがアカデミー賞、ライムライフは国際批評家連盟賞というのも、いかにもそれらしい。