Archive for the '監督' Category

マクベスあれこれ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写 + 会見(ジョエル・コーエン監督、フランシス・マクドーマンド他)

10月17日

The Tragedy of Macbeth

閉幕映画。

白黒でマクベスというわけで、蜘蛛巣城と比べてしまう。

そもそもマクベスを知ったのがそれ、ストーリー自体を知らないのだから、新鮮で面白い(シェイクスピアだもの)うえ、黒澤明だ。それをベースにしたら、以降のが見劣りするのはしょうがない。

というわけで、このコーエン・マクベスも黒澤ほどじゃないな、なんて観てしまった。

でも、ミニマム、タイトな映像は芸術的だし、魔女みたいな老女の動きなど斬新だ。

欧米の人は、マクベスのストーリーを知ったうえで、それをベースにそれぞれの映画を観るのだろうから、そっちがフェアな観方かもしれない。

例によって、やっぱり三船だよな、と思いつつ観たデンゼル・ワシントンも、苦悩するマクベスの弱さを表し、称賛されている。

ワシントンがいない会見は、コーエンとマクドーマンドがメインだった。制作の苦労をわかちあってる感じが、やっぱり夫婦と思う。

公式サイトhttps://a24films.com/films/the-tragedy-of-macbeth

日本でもAppleTV+で配信中

戦下の詩人

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月14日

Benediction

名匠テレンス・デイヴィス監督による第一次世界大戦とその後を背景にした映画。

前半のメンタルをやられた詩人が、送られた軍病院でナイーブな青年と出会うのが心揺さぶる。そこがあんまり良いから、戦後、詩人と俳優たちとのアバンチュールを重ねる後半は、余計じゃね?

と思ったら、これ、実話ベースだった。

戦争詩人ジークフリード・サスーンの物語。他の登場人物も実在の人々。

サスーン(ジャック・ロウデン)、病院で出会うウィルフレッド・オーエン(マシュー・テニソン)とも、戦争詩人として知られる。

サスーンの方が年上、階級も上、身ごなしや話し方で上流階級とわかる。一方のオーエンは素朴な青年だが、サスーンはオーエンの詩に打たれる。

過酷な戦いに耐えられるようには全然見えないオーエンなのに、前線に戻され、命を落とす。サスーンの方は、上述のように生き延びて、あれやこれややらかす。

人様の人生をこう言ってはなんだが、前半だけなら綺麗な物語なのに、後半で濁る。台本通り、まとめることはできない。人が生きていくって、そういうことか。

公式サイトhttps://emufilms.com/projects/benediction/

イギリスの上手い女優たち

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月13日

The Lost Daughter

女優マギー・ジレンホールの映画監督デビュー作。

ビーチでホリデーを過ごす女性、分別があり親切でもある女性のようだが、ある若い母親と娘の姿から、過去がよみがえり…

女性を演じるオリヴィア・コールマンの上手さが際立つ。年齢を重ねた女性の落ち着きをまといつつ、ふとした瞬間にかつて何かあったことを感じさせる。

その若き日を演じるのがジェシー・バックリー。この人もこのところ興味深い映画のここぞという役にいつもいる。コールマンはオスカー獲得で、今やイギリスTVの顔から世界の顔になったが、バックリーもそれに続く勢い。

Netflix配信中

ツボを外さない上手さのケネス・ブラナー自伝的映画

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月12日

Belfast

激化するアイルランド紛争下で暮らす家族を描いたアカデミー賞ノミネート映画「ベルファスト」の見どころ

公式サイトhttps://www.focusfeatures.com/belfast/

日本公開中https://belfast-movie.com/

世論を味方にする強さと背を向けられる怖さ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月11日

A Hero

2011年ベルリン三冠が忘れ難いアスガー・ファルハディ監督による凝った人間ドラマ。

ばれることはないだろうとごまかし、まんまとヒーローになった男が、世論を味方につける得に翻弄されながら、それによる犠牲にも気づいていく。緻密なストーリー展開にミステリーを説く面白さがありつつ、親と子の人情味あふれるドラマも楽しめる。

公式サイトhttps://www.aheromovie.com/

日本公開中https://synca.jp/ahero/

濱口竜介監督作2本参加

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月10日

Wheel of Fortune and Fantasy

偶然と想像です。

偶然をテーマにした短編3本をまとめた濱口竜介監督のベルリン銀熊賞受賞作「偶然と想像」の見どころ

公式サイトhttps://www.filmmovement.com/wheel-of-fortune-and-fantasy

Drive My Carも同時参加。映画祭前の記事ですが。

勢いにのる映画監督・濱口竜介が村上春樹作品を大展開!?今夏の話題作「ドライブ・マイ・カー」のみどころ

公式サイトhttps://www.janusfilms.com/films/2040

新顔も良いウェス・アンダーソン監督オムニバス

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月10日

The French Dispatch

ビル・マーレイとかアンダーソン監督作お馴染みの顔は、もう居るだけで可笑しい域だけど、今回は新顔も楽しい。

新聞社を舞台に、そこで扱うネタごとのお話になっているオムニバス風。

ベニシオ・デル・トロとミシェル・ウィリアムズ、画家とモデルと思いきや実は…が既にオチなうえ、さらにひねって笑わせる。

今、売れっ子の2人、ティモシー・シャラメとフランシス・マクドーマンドの組み合わせも、年齢から何から違いすぎるのをカップルにしちゃったのも可笑しい。

公式サイトhttps://www.searchlightpictures.com/thefrenchdispatch/

パンデミック中、オンラインを活かして撮った映画

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月9日

Language Lessons

夫からのサプライズプレゼントとしてオンラインスペイン語レッスンを贈られた男性(マーク・デュプラス)と、レッスンの先生(ナタリー・モラレス)の、オンライン越しのやりとりが主になる映画。

驚きつつ、そんなことをする夫のことをうれしそうに話す男性、ゲイカップルの微笑ましいい日々と、それを楽しむフレンドリーな先生という笑いに満ちた出会いから一転、男性に悲劇が起こり、先生は画面越しに支えようとする。

プールまである家に住むお金持ちそうな男性と、そうでもなさそうな先生、画面中でうかがえることだけが、お互いの情報のすべてだ。その中で、紆余曲折がある。

パンデミック中に撮った映画だ。マーク・デュプラスは、前に面白いと思ったThe One I Loveも一風変わった面白い小品だった。と思ったら、両方とも自社で制作していた。なるほど。今回の映画では相手役のモラレスと脚本も書いている。モラレスが監督もしている。

公式サイトhttps://www.languagelessonsfilm.com/

あるアフガニスタン難民のアニメーション・ドキュメンタリー

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月9日

Flee

ジョナス・ポエール・ラスムーセン監督の友人アミン(仮名)が語る半生のアニメ化。

アミンは、アフガニスタンの戦火を逃れ、ロシアを経て、デンマークにたどり着いた難民だ。文字通り、明日をも知れない毎日、自分の話を公にするのに仮名を使わざるを得ない理由、難民であるということが、どういうことなのか、ありありとわかる。

難民というと可哀そうな集団のように考えてしまって、その個々人にまで想いをめぐらすことがあまりなかった。それは偏見だったのかもしれないとも思った。

公式サイトhttps://www.fleemovie.com/

マラドーナに絡めた人生の悲喜劇

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月8日

The Hand of God

神の手と言えばマラドーナだが、この映画の主人公はマラドーナではなく、マラドーナの活躍に大盛り上がりするようなイタリアの一家だ。というわけで、コメディタッチだけど、おばあさんから孫への性の手ほどきから、家族の死まで、まさに人生の悲喜劇がマラドーナを横目に見つつ、描かれる。

名匠パオロ・ソレンティーノ監督の自伝的作品。映画祭でかなりのところを占めるようになったNetflix映画。


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

カテゴリー

2022年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ