Archive for the '奇妙な味系' Category

理不尽なロバの生

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月20日

EO

イエジー・スコリモフスキ監督作。同監督のエッセンシャル・キリングをさらに理不尽にした感じ。

あちらでは、主人公のヴィンセント・ギャロが一言もしゃべらなかった。敵の中を逃亡する主人公、言葉でばれてはいけないから。

今回のは、そもそも人間の言葉はしゃべれないロバが主人公。文句も言えず、ただただ人間の都合でひどい目にあわされていく。時々赤く染まる映像もいい。

ティルダ・スウィントンがはまるアート映画みたいなSF

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日

Memoria

”音”が聞こえる女性をティルダ・スウィントンが演じる。

バン!という音に眠りを妨げられる女性、音は何なのか?

どこに行っても、音はついて回る。女性に問題があるのか、それとも?

スウィントンと、舞台となるボゴタの相乗効果で、不思議、アーティスティック。最後までどこに行きつくのかわからない。

公式サイトhttps://memoriathefilm.com/

日本公開http://www.finefilms.co.jp/memoria/

ティルダ・スウィントン一人芝居 The Human Voice

第64回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日(木)

The Human Voice

ペドロ・アルモドバル監督が同名の舞台劇をアレンジした、ほぼティルダ・スウィントンのみ30分の短編。

一人芝居の緊迫感に加え、徐々に精神状態が怪しくなってくる”待つ女“のストーリーが余計に目を離せなくさせる。結果、じーっとティルダを見つめ続ける30分、凄い女優だなあ。

公式サイトhttp://www.pathe.co.uk/at-home/the-human-voice/

無邪気じゃない子と立派じゃない大人 Bad Tales

第64回ロンドン映画祭  プレス試写

10月12日(月)

Bad Tales

郊外の住宅地を舞台にした数軒の家族の群像劇。

不穏とまで言うと大げさだが、何だか居心地の悪い空気を漂う。ぱっとしない地域の満足でもない家に住む大人たちと、必ずしもイノセントではない子どもたち。コメディーにもホラーにもしない絶妙なとこで、可笑しみを含ませながら、とってもダーク。

どう転ぶかわからない展開も上手い。ベルリンで脚本賞受賞。

公式サイトhttps://www.pepitoproduzioni.it/produzioni/cinema/favolacce/

ダークでコミカルで不思議 Never Gonna Snow Again

第64回ロンドン映画祭  プレス試写

10月9日(金)

Never Gonna Snow Again

オンライン試写でタイトルとともにあった写真(公式サイトに出てます)が、主人公とおぼしき人のアップで、お相撲さんみたいな顔と思った。ごついような、むくむくしてるような。

イケメンというほどでもないアップの地味目写真、特に期待もせずに観たら、良かったんです、これが。

ごつむくの主人公は道具一式を担いで家々を巡るマッサージ師。お屋敷が並ぶ一帯で有閑マダム達に施術する。それぞれの家の内情に通じると同時に、マダム達に待ち望まれるようになっていく。

けっこう若い美人から、コテコテのおばさままで、ちょっとカリカチュアライズされたようなマダム達に、マッサージが上手いというより、特殊なパワーがありそうなマッサージ師。チェルノブイリでの幼少期や、誰かに追われているようなのもミステリアスさを増す。

ダーク、コミカル、不思議が上手い具合にかみあって、そのどれも壊さずに、余韻を残すエンディングも秀逸。

これは覚えとことチェックしたら、マウゴシュカ・シュモフスカ監督。ベルリン映画祭の会見で、何度か見てた。その何作かは、そこまで良いとも思わなかったけど、今度のはホームラン。

主演はアレック・ウトゴフ、ウクライナ出身のイギリス人だった。けっこう大作にも出てるし、イギリスのテレビにも出てた。見逃してたな。注目しとこう。

公式サイトhttps://www.the-match-factory.com/catalogue/films/sniegu-już-nigdy-nie-będzie.html

ウィレム・デフォーを観る映画 Siberia

第64回ロンドン映画祭  プレス試写

10月5日(月)

Siberia

シベリアでバーをやっている男を、ウィレム・デフォーが演じる。

雪の中にぽつんとバーがある設定がもうシュールだが、展開も現実と空想の狭間のようだ。

実験映画? わけわからない映画とも言えるけど、デフォーで観せる。ほかの役者だったら、成り立たないかも。

きわどいセクシュアルなシーンが、物語の中で重要なパートを占める。デフォーいくつになるのかな。がんばってるなあ。

と思っていたら、アベル・フェラーラ監督はPasoliniの監督だった。あれもデフォーならではだったな。

公式サイトhttps://vivofilm.it/production/siberia/

 

乗ってる監督2本参加の2本目 La Llorona

第63回ロンドン映画祭

10月9日(水)

La Llorona  一般上映

今回の映画祭で2本目のハイロ・ブスタマンテ監督作。

火の山のマリア(原題Ixcanul)の女優さんも出てて郷土色濃いし、民話がベースのホラー味を加えつつ、社会的な問題も絡める凝った作り。

日本ではラ・ヨローナ~彷徨う女~として公開。

公式サイトhttps://www.filmfactoryentertainment.com/films/la-llorona/

 

1本目の方がテーマがしぼれてて面白いと思う。でも、ゲイ男性の葛藤がメインなので、日本公開はないかな。

The Gold-Laden Sheep & The Sacred Mountain

第63回ロンドン映画祭 プレス試写

10月6日(日)

The Gold-Laden Sheep & The Sacred Mountain

捜索隊にも無理なほど奥深い山に墜落した飛行機を、謝礼金目当てで探す地元の羊飼い。ヒマラヤあたりのどこかが舞台。

荒々しい自然と、そんな地での暮らしぶりに圧倒され、ストーリーを追うというより、探訪ドキュメンタリーのように観てしまう。

公式フェイスブックhttps://m.facebook.com/thegoldladensheep/

シリアスハンドくんI Lost My Body

第63回ロンドン映画祭 プレス試写

9月24日(火)

I Lost My Body

Ⅰになっている主体が”手”のアニメ映画。切り離された手が、自分のくっついていた体を探し求める。手の持ち主のピザデリバリーボーイの恋物語も絡む。

ハンドくん(アダムス・ファミリー)シリアス版みたいな手はもちろん、デリバリーボーイの恋も応援したくなる。意外に王道なボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーにもなってる。

日本では失くした体として配信中。

公式サイトhttp://www.auvergnerhonealpes-cinema.fr/en/film-jai-perdu-mon-corps.html

ちょっとエログロ系

第62回ロンドン映画祭試写

2018年10月16日

 Suspiria

同性ならではの技⁉︎昨年度のベスト初恋映画『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督なので期待大だったけど、そこまででもなかったリメイク。ダリオ・アルジェント監督のオリジナルサスペリアが凄すぎるせいか。

In Fabric

こちらは、倒錯的な女性同士の愛の世界を昆虫学と絡めつつ描く!注目の英国人監督の新作のピーター・ストリックランド監督で、期待を裏切らない笑えるフェティッシュ映画。
公式サイトhttps://a24films.com/films/in-fabric


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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