Archive for the 'ヒューマンドラマ' Category

ウクライナ侵攻初期のシュールでリアルな物語Klondike

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月30日

Klondike

2014年、ロシア侵攻が始まった頃の、あるウクライナ家族の物語。

リビングらしい部屋は、外に面した壁が崩れ落ちている。

夫婦であろう男女がいる。出産を控えているらしい女性は、大きなお腹で辛そうだ。

応急処置で多少の目隠しをしても、ロシア兵のいる外の様子が筒抜けの家で寝起きするお腹の大きな女性というシュールと、今のウクライナの状況とも重なるリアル。

ロシア国境近くの村で、男性はロシア側と通じているふうだ。そこにやってきた女性の弟と、男性の間に険悪な空気が流れる。

不毛な結末を迎える家の中の争いは、外の戦争が向かう不毛の暗示だろうか。

公式サイトhttps://klondikemovie.com/

ジェニファー・ローレンスが上手い

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月30日

Causeway

ジェニファー・ローレンスがアフガニスタン帰りの元兵士を演じる。

頭には怪我、心にはトラウマを負っている。それが癒えることはあるのか。

帰ってきたニューオーリンズでの暮らしの中、彼女はある黒人男性と出会う。やはり傷がある彼と友情が育まれていくようだが、それでも、双方にとって傷が癒えるのは簡単ではない。

スローペースでじっくりと日常が描かれていくうちに、彼女と母親の問題なども見えてくる。

そういえば、今回の映画祭では、癒しがテーマになっている映画が多かった気がする。時代だろうか。

公式サイトhttps://a24films.com/films/causeway

クリストフ・オノレ監督の自伝的映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月29日

Winter Boy

父親を亡くした少年が主人公。

思春期の男の子なので、ヒューマンドラマというよりカミング・オブ・エイジ・ドラマかもしれない。

ジュリエット・ビノシュが演じる母も、夫を亡くした妻なのだから、悲嘆は大きいはずだが、大人だし、2人の子の母として、持ちこたえるふうだ。

独立して暮らす兄も、パリに戻れば、自分の暮らしの続きが待っている。

だが、弟はどうしていいかわからないほどのショックを受けている。とりあえず、気分転換ということか、兄についてパリに行くが、兄の同居人も絡み、思いがけない展開になっていく。

この少年がどうなるのか、見守るふうに観てしまう。クリストフ・オノレ監督の自伝的作品なのだそう。大変だったんだなあ。

オノレ監督と言えば、美しいひとをどこかの映画祭で試写した。2008か9年だと思うけど、主演が若き日のレア・セドゥだった。若い頃から、独特に美しい子だったと今になってしみじみ。

公式サイトhttp://inter.pyramidefilms.com/pyramidefilms-international-catalogue/winter-boy

ちょっと複雑なLGBT映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月28日

Summer with Hope

大会目指して励む水泳選手とコーチ、スポ根ものかと思いきや、問題なのは彼らの関係だった。

そこに両親の問題も絡む複雑な展開。うっかりすると、ついていけなくなる絡み具合。

公式サイトhttps://cfccreates.com/content-hub/summer-with-hope/

ドラゴンで現実を焼き尽くせたらいいのに

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月21日

Blaze

レイプ殺人の場に、たまたま居合わせてしまった女の子を主人公にした物語。

女の子が負ったトラウマの話だが、この映画の特徴は、まだ小学生の女の子の想像力の豊かさだ。可愛らしく懐かしい陶器の動物がたくさん飾ってある部屋で、女の子はドラゴンと住んでいる。その想像世界がサイケデリックで面白い。

目撃者となった事件によって、部屋に閉じこもってしまう女の子、現実に戻ることはできるのか。

サイケなファンタジーと、惨い現実が、ブレンドされていくことで、独自の映画になっている。

公式サイトhttps://mk2films.com/en/film/blaze/

ひねりのあるLGBT映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月21日

Joyland

妻のいる男性が、トランスジェンダー女性のバックダンサーになる。そこに恋が芽生え、という話かと思いきや、最後にもうひとひねり。

そもそも妻と結婚したのもそういうことだったのかと納得するも、主要登場人物全員にとって悲劇だ。

舞台となっているパキスタンでの女性の位置を絡めながら、最後でやっと合点がいく展開が上手い。

精神を病む初期

The Novice

第36回BFIフレア: ロンドンLGBTQIA+映画祭  プレス試写 3月26日

ボート部の女学生が、部活、勉強、そほのか学生生活諸々のストレスで異常をきたしていく。

ブラック・スワンを思わせるが、あれほどエクストリームじゃない。そこが物足りなくもあるけど、その分、リアリティがあるとも言える。

公式サイトhttps://www.ifcfilms.com/films/the-novice

海辺カフェの秘密

Wet Sand

第36回BFIフレア: ロンドンLGBTQIA+映画祭  一般上映 3月25日

海辺の町で老人が亡くなる。自殺のようだ。

他所からきて、地元民とは馴染まず暮らした老人らしい。

後始末のためやってきた孫娘を、ビーチ近くにあるカフェ店主が手伝う。

静かな村には似つかわしくない騒動の中で、保守的なその土地では隠すしかなかった老人の私生活があぶり出されてくる。

ゆっくりと老人の秘めた愛が描かれる傍ら、孫娘の現在進行形な愛も進展していく。

地味な小品ながら、なかなかの秀作。

公式サイトhttps://wetsand-film.com/

オンラインでの出会い

Private Desert

第36回BFIフレア: ロンドンLGBTQIA+映画祭  プレス試写 3月21日

ミスを犯した刑事が、オンライン上で知り合ったサラを探す旅に出る物語。落ち込んだ状態で、サラが救いの女神になっている刑事だが、観ている方には最初からサラはたぶん…。

思いがつのっていく刑事と、真実が見えてくる過程とが、スリリングだ。

オンラインの出会いって、どんな風にも偽装できるわけだから、怖い。

公式サイトhttps://www.grafoaudiovisual.com/en/cinema/deserto-particular-2/

ピース・アンド・フレンドシップ・トリーティーズ

Wildhood

第36回BFIフレア: ロンドンLGBTQIA+映画祭  プレス試写 3月18日

手ひどく扱う父のもとから逃れた兄弟が、母を探すロードムービー。

イーストコーストの片田舎が舞台になっていて、兄弟の母は原住民らしい。ピース・アンド・フレンドシップ・トリティーズという言葉が出てくる。イギリスが侵略時に原住民と結んだ契約のようだ。

母と父の関係にも、何かそういう民族的な歴史が反映されているふうだし、兄弟が旅の途中で知り合う青年も鳥の羽で飾った衣装を着けた民族的なダンスの躍り手だ。

背景に民族を感じさせながら、美しい自然の中を進んでいく、母乞い物語、かつ、青年に友情を超えたものを感じる兄のセクシュアリティの発見を含めたカミング・オブ・エイジ・ドラマにもなっていて、上手い。

公式サイトhttp://wildhoodmovie.com/


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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