Archive for the 'ロンドン映画祭2021' Category

マクベスあれこれ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写 + 会見(ジョエル・コーエン監督、フランシス・マクドーマンド他)

10月17日

The Tragedy of Macbeth

閉幕映画。

白黒でマクベスというわけで、蜘蛛巣城と比べてしまう。

そもそもマクベスを知ったのがそれ、ストーリー自体を知らないのだから、新鮮で面白い(シェイクスピアだもの)うえ、黒澤明だ。それをベースにしたら、以降のが見劣りするのはしょうがない。

というわけで、このコーエン・マクベスも黒澤ほどじゃないな、なんて観てしまった。

でも、ミニマム、タイトな映像は芸術的だし、魔女みたいな老女の動きなど斬新だ。

欧米の人は、マクベスのストーリーを知ったうえで、それをベースにそれぞれの映画を観るのだろうから、そっちがフェアな観方かもしれない。

例によって、やっぱり三船だよな、と思いつつ観たデンゼル・ワシントンも、苦悩するマクベスの弱さを表し、称賛されている。

ワシントンがいない会見は、コーエンとマクドーマンドがメインだった。制作の苦労をわかちあってる感じが、やっぱり夫婦と思う。

公式サイトhttps://a24films.com/films/the-tragedy-of-macbeth

日本でもAppleTV+で配信中

学校ドキュメンタリー

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月16日

Mr. Bachmann and His Class

ドイツで中学生くらいのクラスを受け持つバッハマン先生と生徒たちのドキュメンタリー。

移民の子たちも多くいるクラスの日々を、3時間越えの長尺でじっくり追っていく。

黙りがちなそういう子らを気づかい、少しでもドイツ語で発言させ、マスターさせようとする。

ニット帽を被り、いつもニコニコしているバッハマン先生は、いつだって生徒の側に立つ。

その安心感で生徒を支えているのが、じわじわ伝わってくる。

公式サイトhttps://german-documentaries.de/en_EN/films/mr-bachmann-and-his-class.18130

ティルダ・スウィントンがはまるアート映画みたいなSF

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日

Memoria

”音”が聞こえる女性をティルダ・スウィントンが演じる。

バン!という音に眠りを妨げられる女性、音は何なのか?

どこに行っても、音はついて回る。女性に問題があるのか、それとも?

スウィントンと、舞台となるボゴタの相乗効果で、不思議、アーティスティック。最後までどこに行きつくのかわからない。

公式サイトhttps://memoriathefilm.com/

日本公開http://www.finefilms.co.jp/memoria/

映画は悪くなかったのに

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日

King Richard

記事にできました。

主人公のビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父親をウィル・スミスが演じる話題作「ドリームプラン」の見どころ

ウィル・スミス、アカデミー賞候補かなあとは思ったけど、そのアカデミー賞最大の話題になるとは思わなんだ。そういえば、ビンタ事件、その後どうなったかなあ。

公式サイトhttps://www.kingrichardfilm.net/

日本公開中https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/

戦下の詩人

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月14日

Benediction

名匠テレンス・デイヴィス監督による第一次世界大戦とその後を背景にした映画。

前半のメンタルをやられた詩人が、送られた軍病院でナイーブな青年と出会うのが心揺さぶる。そこがあんまり良いから、戦後、詩人と俳優たちとのアバンチュールを重ねる後半は、余計じゃね?

と思ったら、これ、実話ベースだった。

戦争詩人ジークフリード・サスーンの物語。他の登場人物も実在の人々。

サスーン(ジャック・ロウデン)、病院で出会うウィルフレッド・オーエン(マシュー・テニソン)とも、戦争詩人として知られる。

サスーンの方が年上、階級も上、身ごなしや話し方で上流階級とわかる。一方のオーエンは素朴な青年だが、サスーンはオーエンの詩に打たれる。

過酷な戦いに耐えられるようには全然見えないオーエンなのに、前線に戻され、命を落とす。サスーンの方は、上述のように生き延びて、あれやこれややらかす。

人様の人生をこう言ってはなんだが、前半だけなら綺麗な物語なのに、後半で濁る。台本通り、まとめることはできない。人が生きていくって、そういうことか。

公式サイトhttps://emufilms.com/projects/benediction/

ルツボとしてのパリ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月14日

Paris, 13th District

若い男女が交錯していく物語。

白い肌の若者だけではなく、アジアン、アフリカン、来た道も行く道も違う若者たちにしたのがミソ。

それが、何かのきっかけで、共に過ごす時を経て、また、それぞれに進んでいく。

ウェットではないが、そこまでドライでもない塩梅が今風。

公式サイトhttps://www.ifcfilms.com/films/paris-13th-district

日本公開中https://longride.jp/paris13/

お屋敷で情事にふけっていたメイドが…

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月14日

Mothering Sunday

第一次世界大戦に向かう頃、イギリスのお屋敷で繰り広げられるメイドとお坊ちゃまの情事。

お休みをもらった日曜日、メイドのジェーン(オデッサ・ヤング)が急ぐのは近くの別のお館、そこではその家の息子ポール(ジョシュ・オコナー)が両親が出かけた後に1人で待っている。

住む世界が違う2人、結婚へと向かう関係でないのは、両者ともわかっている。周囲にばれないように気を使いつつ情事を重ねる大人の関係とも言える。ヤング、オコナーとも、その逢瀬の間だけ素になって楽しむはかない感じが出ていていい。

館主たちの世界でもいろいろあり、そこで働く方にもいろいろある。ジェーンが働く家の館主夫妻をコリン・ファースとオリヴィア・コールマンが演じていて、前日の試写では主役だったコールマンがここでも何かある人を演じている。

ジェーンが数十年後に作家になって、当時を振り返るのが、とってつけたみたいで、賛否両論なところ。

公式サイトhttps://www.sonyclassics.com/film/motheringsunday/

日本公開中https://movies.shochiku.co.jp/sunday/

イギリスの上手い女優たち

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月13日

The Lost Daughter

女優マギー・ジレンホールの映画監督デビュー作。

ビーチでホリデーを過ごす女性、分別があり親切でもある女性のようだが、ある若い母親と娘の姿から、過去がよみがえり…

女性を演じるオリヴィア・コールマンの上手さが際立つ。年齢を重ねた女性の落ち着きをまといつつ、ふとした瞬間にかつて何かあったことを感じさせる。

その若き日を演じるのがジェシー・バックリー。この人もこのところ興味深い映画のここぞという役にいつもいる。コールマンはオスカー獲得で、今やイギリスTVの顔から世界の顔になったが、バックリーもそれに続く勢い。

Netflix配信中

社会問題を組み込んだ少年の日の犯罪ドラマ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月12日

Wild Indian

少年の日の殺人が、その後の2人に落とした影。

友達だった男子2人が、偶然から殺人犯と目撃者になる。それが、2人の人生を大きく分けることに。

いじめ、家庭内暴力、人種差別をベースにしている。

公式トレイラーhttps://www.ign.com/videos/wild-indian-official-trailer

ポート・アーサー事件までの軌跡

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月12日

Nitram

ちょっと癖のある顔立ちで、嫌味なお坊ちゃんみたいな役柄が多かったケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、そういうのもはまってはいたけど、これこそはまり役と思った。

大量殺人事件として知られるポート・アーサー事件の犯人マーティン・ブライアント役だ。知的障害に、メンタルな病気もあったらしい青年で、大金持ちの未亡人と知り合ってから、自暴自棄な殺人に向かうまでの過程に緊迫感がある。

面白い映画になっているけれど、こういう映画が出ると障害や病気に対する偏見が助長されることがあるので加えておくと、病気にそういう傾向があるのではなく、もともとそういう傾向があった人が、病気になることによって、行動として出やすくなるという意味のことを、精神科医の春日武彦は著書で述べている。

公式サイトhttps://www.ifcfilms.com/films/nitram

日本公開中http://www.cetera.co.jp/nitram/


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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