Archive for the '映画祭' Category

最後はハートフルな変てこSFコメディLinoleum

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月30日

Linoleum

自力でロケットを作ろうとしているお父さんのお話。しかも家のガレージで。

空から車が降ってくるのに遭遇するお父さん、それが妄想なのか現実なのか、判然としないまま、話が進んでいく。大丈夫か?子供向け科学番組のプレゼンターを降ろされたお父さんは、家のガレージでロケットを作り始める。ミッドライフクライシスなのか?

変てこコメディが、変てこを上手い具合に回収しつつ、最後には心揺さぶる人生の物語になっていく。びっくり。

公式サイトhttps://www.linoleummovie.com/

ジェニファー・ローレンスが上手い

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月30日

Causeway

ジェニファー・ローレンスがアフガニスタン帰りの元兵士を演じる。

頭には怪我、心にはトラウマを負っている。それが癒えることはあるのか。

帰ってきたニューオーリンズでの暮らしの中、彼女はある黒人男性と出会う。やはり傷がある彼と友情が育まれていくようだが、それでも、双方にとって傷が癒えるのは簡単ではない。

スローペースでじっくりと日常が描かれていくうちに、彼女と母親の問題なども見えてくる。

そういえば、今回の映画祭では、癒しがテーマになっている映画が多かった気がする。時代だろうか。

公式サイトhttps://a24films.com/films/causeway

壊れもする人と体のドキュメンタリー

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月29日

De Humani Corporis Fabrica

今回、最もショッキングな映像。体内にカメラが入っていく。

だが、科学ドキュメンタリーふうではない。

意図的に混ぜたのであろう、医療廃棄物みたいなものとともに、カメラがスーッとダストシュートを通って、ゴミの山の上に到達する映像もある。人体の映像が、それとそっくりなのだ。カメラがスーッと細い道を通って、腹の中だの、頭の中だのに到達する。骨と肉でできた物でもある人体。

カメラは人体に入るばかりではない。膀胱の中だろうか、みるみる液体がたまっていき、カメラは退散、体の外に出ると、液体も噴き出し、床を濡らす。医者が喚き散らしている。何か不手際があったらしい。

怪鳥のような鋭い叫び声を上げ続ける女性、病室を出て廊下を彷徨い、また病室に戻される男性や、遺体に手際よく服を着せる看護師の映像もある。

壊れることもある人間、医者たちを猥雑に描いた落書きみたいな絵にポップミュージックがヘビーに被さるエンディングは、この映画を象徴するようだ。

公式サイトhttps://filmsdulosange.com/en/film/de-humani-corporis-fabrica/

眠たいようでも意外に高評価

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月29日

Unrest

19世紀、スイスの時計工場で働く女工ジョセフィーヌが主人公。

その地での社会運動にかかわるうちに、ピョートル・クロポトキンと出会う。クロポトキンって実在したロシアのアナキスト?実話?と思ったが、そうではなく登場人物として使ったということのよう。スイスを訪れたというところまではほんとうだけど、後は創作らしい。

当時は正しい時を刻むということが難しかった時代、そして、新技術の写真が広まっていった時代というのを、ロマンスとつなげた不思議な物語。

ゆったり淡々と進むのを楽しめるか、退屈と感じるかで、評価が分かれそう。

公式サイトhttps://seelandfilm.ch/Unrueh-Unrest-CH-2022-93

クリストフ・オノレ監督の自伝的映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月29日

Winter Boy

父親を亡くした少年が主人公。

思春期の男の子なので、ヒューマンドラマというよりカミング・オブ・エイジ・ドラマかもしれない。

ジュリエット・ビノシュが演じる母も、夫を亡くした妻なのだから、悲嘆は大きいはずだが、大人だし、2人の子の母として、持ちこたえるふうだ。

独立して暮らす兄も、パリに戻れば、自分の暮らしの続きが待っている。

だが、弟はどうしていいかわからないほどのショックを受けている。とりあえず、気分転換ということか、兄についてパリに行くが、兄の同居人も絡み、思いがけない展開になっていく。

この少年がどうなるのか、見守るふうに観てしまう。クリストフ・オノレ監督の自伝的作品なのだそう。大変だったんだなあ。

オノレ監督と言えば、美しいひとをどこかの映画祭で試写した。2008か9年だと思うけど、主演が若き日のレア・セドゥだった。若い頃から、独特に美しい子だったと今になってしみじみ。

公式サイトhttp://inter.pyramidefilms.com/pyramidefilms-international-catalogue/winter-boy

ちょっと複雑なLGBT映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月28日

Summer with Hope

大会目指して励む水泳選手とコーチ、スポ根ものかと思いきや、問題なのは彼らの関係だった。

そこに両親の問題も絡む複雑な展開。うっかりすると、ついていけなくなる絡み具合。

公式サイトhttps://cfccreates.com/content-hub/summer-with-hope/

サイマンデ

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月28日

Getting It Back: The Story of Cymande

サイマンデという70’sに活躍したバンドのドキュメンタリー。

とは言っても、短い活躍で終わったらしいが、その音楽が今だに再発見され続けてるのがすごい。DJにより、音楽ファンにより、マーク・ロンソンによっても。

ロンドンベースのカリブ系メンバーによるバンド、確かにいろんな要素がミックスされていて今聞いても古くない。

というわけで、再結成、再活動しているらしい。

Cymande公式サイト(映画の紹介もあり)https://www.cymandeofficial.com/

のし上がっていく女

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月28日

Emily The Criminal

アルバイトの説明風景、倉庫みたいなところに集められた人たちがすることは渡されたカードでの買い物だという。どう考えても犯罪の予感しかしない。

そこまで聞いて、嫌なら帰っていいと言われても、残った中にエミリーがいる。ファストフードのデリバリーをしているエミリーだが、それだけでは足りないと応募した仕事がそれだった。

度胸があり、機転もきくエミリーは、もっと危険な仕事も任されるようになる。ボスみたいな男に気に入られたことと、内部抗争が、エミリーを思いがけない場所まで運んでいく。

もともと適性があったということか、慎ましく暮らしていた女性が、あれよあれよという間に立派な犯罪者、ボスの男よりも肝が座ったところを見せるあたり、小気味いいようなクライムサスペンス。

オーブリー・プラザ演じるエミリーのキャラクターにリアリティがあり、ボス役のテオ・ロッシも実際いそうな元締めで、カード犯罪はこんな人たちがこんなふうにやっているのかと思わせる。

個人的にはもっとほろ苦なラストにしてほしかったけど、ジョン・パットン・フォード監督の初長編と聞けば、立派なものと思う。

公式サイトhttps://www.emilythecriminal.com/

遺作だった

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月27日

Triangle of Sadness

強烈な風刺の効いたコメディ。今年のカンヌ最高賞受賞作。

2017年の同賞受賞作ザ・スクエア 思いやりの聖域を思い浮かべつつ、そういうのがカンヌ好みなのかなと思ったら、同じリューベン・オストルンド監督だった。

かなり笑えて、かなり酷い話だ。額に汗して働き暮らしを支える人がいる一方で、動画やら写真やら上げるだけで優雅な暮らしを送る人がいる現実、それが見事にひっくり返る状況、そして、絶妙なところでのラスト。

カンヌが強烈な風刺の効いたコメディ好きというより、強烈な風刺の効いたコメディを抜群な映画に仕上げる監督なのだろう。

ウディ・ハレルソンがいかにもな役で出てるのも楽しい。

群像劇なのだが、そのメインの1人、見事なビキニスタイルを披露しているチャールビ・ディーンが、この8月に亡くなっていたのを今知った。遺作だったのか。

公式サイトhttps://neonrated.com/films/triangle-of-sadness

誰とも交われない一人っきり、一人じゃないって反語のタイトルか

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月27日

You Won’t Be Alone

赤ん坊の時、魔女に印されたら、もうその運命から逃れることはできない。

というホラーなお話。

と言ってもドキドキ、キャーッみたいではなく、一昔前のどこかの村の不思議な民話風。

子どもの頃から、違う者として暮らさざるを得ない、常に一人っきりの存在。

何かのメタファーなんだろうか。不思議さで見入ってしまう。

公式サイトhttps://www.focusfeatures.com/you-wont-be-alone/


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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