Archive for the '俳優' Category

クリストフ・オノレ監督の自伝的映画

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月29日

Winter Boy

父親を亡くした少年が主人公。

思春期の男の子なので、ヒューマンドラマというよりカミング・オブ・エイジ・ドラマかもしれない。

ジュリエット・ビノシュが演じる母も、夫を亡くした妻なのだから、悲嘆は大きいはずだが、大人だし、2人の子の母として、持ちこたえるふうだ。

独立して暮らす兄も、パリに戻れば、自分の暮らしの続きが待っている。

だが、弟はどうしていいかわからないほどのショックを受けている。とりあえず、気分転換ということか、兄についてパリに行くが、兄の同居人も絡み、思いがけない展開になっていく。

この少年がどうなるのか、見守るふうに観てしまう。クリストフ・オノレ監督の自伝的作品なのだそう。大変だったんだなあ。

オノレ監督と言えば、美しいひとをどこかの映画祭で試写した。2008か9年だと思うけど、主演が若き日のレア・セドゥだった。若い頃から、独特に美しい子だったと今になってしみじみ。

公式サイトhttp://inter.pyramidefilms.com/pyramidefilms-international-catalogue/winter-boy

のし上がっていく女

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月28日

Emily The Criminal

アルバイトの説明風景、倉庫みたいなところに集められた人たちがすることは渡されたカードでの買い物だという。どう考えても犯罪の予感しかしない。

そこまで聞いて、嫌なら帰っていいと言われても、残った中にエミリーがいる。ファストフードのデリバリーをしているエミリーだが、それだけでは足りないと応募した仕事がそれだった。

度胸があり、機転もきくエミリーは、もっと危険な仕事も任されるようになる。ボスみたいな男に気に入られたことと、内部抗争が、エミリーを思いがけない場所まで運んでいく。

もともと適性があったということか、慎ましく暮らしていた女性が、あれよあれよという間に立派な犯罪者、ボスの男よりも肝が座ったところを見せるあたり、小気味いいようなクライムサスペンス。

オーブリー・プラザ演じるエミリーのキャラクターにリアリティがあり、ボス役のテオ・ロッシも実際いそうな元締めで、カード犯罪はこんな人たちがこんなふうにやっているのかと思わせる。

個人的にはもっとほろ苦なラストにしてほしかったけど、ジョン・パットン・フォード監督の初長編と聞けば、立派なものと思う。

公式サイトhttps://www.emilythecriminal.com/

遺作だった

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月27日

Triangle of Sadness

強烈な風刺の効いたコメディ。今年のカンヌ最高賞受賞作。

2017年の同賞受賞作ザ・スクエア 思いやりの聖域を思い浮かべつつ、そういうのがカンヌ好みなのかなと思ったら、同じリューベン・オストルンド監督だった。

かなり笑えて、かなり酷い話だ。額に汗して働き暮らしを支える人がいる一方で、動画やら写真やら上げるだけで優雅な暮らしを送る人がいる現実、それが見事にひっくり返る状況、そして、絶妙なところでのラスト。

カンヌが強烈な風刺の効いたコメディ好きというより、強烈な風刺の効いたコメディを抜群な映画に仕上げる監督なのだろう。

ウディ・ハレルソンがいかにもな役で出てるのも楽しい。

群像劇なのだが、そのメインの1人、見事なビキニスタイルを披露しているチャールビ・ディーンが、この8月に亡くなっていたのを今知った。遺作だったのか。

公式サイトhttps://neonrated.com/films/triangle-of-sadness

微妙な男女を描くのが上手いミア・ハンセン=ラヴ監督作

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月26日

One Fine Morning

ミア・ハンセン=ラヴ監督作。

前作ベルイマン島にてもそうだったが、微妙な男女を撮るのが上手い。レア・セドゥが抗いがたいほど魅力的なシングルマザー、サンドラ役で、パートナーが居ながら惹かれてしまうクレメント(メルヴィル・プポー)やむなしと思わせる。

パートナーとの間を行き来する煮え切らないクレメントに加え、サンドラには、父親の介護問題もある。たんさん著作もある、知の人であった父親だけに、次第に呆けてくるのを見る娘としての辛さもある。

単なる三角関係の恋愛ものにせず、恋愛と同等かそれ以上に重い背景を作ったのが、効いている。

公式サイトhttps://www.sonyclassics.com/film/onefinemorning/

理不尽なロバの生

第66回ロンドン映画祭  プレス試写

9月20日

EO

イエジー・スコリモフスキ監督作。同監督のエッセンシャル・キリングをさらに理不尽にした感じ。

あちらでは、主人公のヴィンセント・ギャロが一言もしゃべらなかった。敵の中を逃亡する主人公、言葉でばれてはいけないから。

今回のは、そもそも人間の言葉はしゃべれないロバが主人公。文句も言えず、ただただ人間の都合でひどい目にあわされていく。時々赤く染まる映像もいい。

俳優の哀しさ

Boulevard! A Hollywood Story

第36回BFIフレア: ロンドンLGBTQIA+映画祭  プレス試写 3月30日

グロリア・スワンソンのドキュメンタリー。

かつての栄光を忘れられない女優が主人公のサンセット大通りで知られる。

実際のスワンソンにも、その映画みたいな出来事があったとは。

公式サイトhttps://automatpictures.com/boulevard/

マクベスあれこれ

第65回ロンドン映画祭  プレス試写 + 会見(ジョエル・コーエン監督、フランシス・マクドーマンド他)

10月17日

The Tragedy of Macbeth

閉幕映画。

白黒でマクベスというわけで、蜘蛛巣城と比べてしまう。

そもそもマクベスを知ったのがそれ、ストーリー自体を知らないのだから、新鮮で面白い(シェイクスピアだもの)うえ、黒澤明だ。それをベースにしたら、以降のが見劣りするのはしょうがない。

というわけで、このコーエン・マクベスも黒澤ほどじゃないな、なんて観てしまった。

でも、ミニマム、タイトな映像は芸術的だし、魔女みたいな老女の動きなど斬新だ。

欧米の人は、マクベスのストーリーを知ったうえで、それをベースにそれぞれの映画を観るのだろうから、そっちがフェアな観方かもしれない。

例によって、やっぱり三船だよな、と思いつつ観たデンゼル・ワシントンも、苦悩するマクベスの弱さを表し、称賛されている。

ワシントンがいない会見は、コーエンとマクドーマンドがメインだった。制作の苦労をわかちあってる感じが、やっぱり夫婦と思う。

公式サイトhttps://a24films.com/films/the-tragedy-of-macbeth

日本でもAppleTV+で配信中

ティルダ・スウィントンがはまるアート映画みたいなSF

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日

Memoria

”音”が聞こえる女性をティルダ・スウィントンが演じる。

バン!という音に眠りを妨げられる女性、音は何なのか?

どこに行っても、音はついて回る。女性に問題があるのか、それとも?

スウィントンと、舞台となるボゴタの相乗効果で、不思議、アーティスティック。最後までどこに行きつくのかわからない。

公式サイトhttps://memoriathefilm.com/

日本公開http://www.finefilms.co.jp/memoria/

映画は悪くなかったのに

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月15日

King Richard

記事にできました。

主人公のビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父親をウィル・スミスが演じる話題作「ドリームプラン」の見どころ

ウィル・スミス、アカデミー賞候補かなあとは思ったけど、そのアカデミー賞最大の話題になるとは思わなんだ。そういえば、ビンタ事件、その後どうなったかなあ。

公式サイトhttps://www.kingrichardfilm.net/

日本公開中https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/

戦下の詩人

第65回ロンドン映画祭  プレス試写

10月14日

Benediction

名匠テレンス・デイヴィス監督による第一次世界大戦とその後を背景にした映画。

前半のメンタルをやられた詩人が、送られた軍病院でナイーブな青年と出会うのが心揺さぶる。そこがあんまり良いから、戦後、詩人と俳優たちとのアバンチュールを重ねる後半は、余計じゃね?

と思ったら、これ、実話ベースだった。

戦争詩人ジークフリード・サスーンの物語。他の登場人物も実在の人々。

サスーン(ジャック・ロウデン)、病院で出会うウィルフレッド・オーエン(マシュー・テニソン)とも、戦争詩人として知られる。

サスーンの方が年上、階級も上、身ごなしや話し方で上流階級とわかる。一方のオーエンは素朴な青年だが、サスーンはオーエンの詩に打たれる。

過酷な戦いに耐えられるようには全然見えないオーエンなのに、前線に戻され、命を落とす。サスーンの方は、上述のように生き延びて、あれやこれややらかす。

人様の人生をこう言ってはなんだが、前半だけなら綺麗な物語なのに、後半で濁る。台本通り、まとめることはできない。人が生きていくって、そういうことか。

公式サイトhttps://emufilms.com/projects/benediction/


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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