第65回ロンドン映画祭 プレス試写
10月14日
Benediction
名匠テレンス・デイヴィス監督による第一次世界大戦とその後を背景にした映画。
前半のメンタルをやられた詩人が、送られた軍病院でナイーブな青年と出会うのが心揺さぶる。そこがあんまり良いから、戦後、詩人と俳優たちとのアバンチュールを重ねる後半は、余計じゃね?
と思ったら、これ、実話ベースだった。
戦争詩人ジークフリード・サスーンの物語。他の登場人物も実在の人々。
サスーン(ジャック・ロウデン)、病院で出会うウィルフレッド・オーエン(マシュー・テニソン)とも、戦争詩人として知られる。
サスーンの方が年上、階級も上、身ごなしや話し方で上流階級とわかる。一方のオーエンは素朴な青年だが、サスーンはオーエンの詩に打たれる。
過酷な戦いに耐えられるようには全然見えないオーエンなのに、前線に戻され、命を落とす。サスーンの方は、上述のように生き延びて、あれやこれややらかす。
人様の人生をこう言ってはなんだが、前半だけなら綺麗な物語なのに、後半で濁る。台本通り、まとめることはできない。人が生きていくって、そういうことか。