第60回ロンドン映画祭開幕12日目
George Best: All By Himself ダニエル・ゴードン監督登壇
ジョージ・ベストについてのドキュメンタリー。
ティーンでデビューした60年代当時、世界一のサッカー選手と言われたうえイケメンで、今で言うとベッカムかそれ以上の時代の寵児となったのに、活躍していた時期より、以降のトラブル続きのアル中時代の方が長い。
というようなことを知っていてさえ、貴重な映像を交えて時系列で見ると、あらためて心痛む人生にしんみり。
映画、イギリスのあれこれ by Yukari
第60回ロンドン映画祭開幕12日目
George Best: All By Himself ダニエル・ゴードン監督登壇
ジョージ・ベストについてのドキュメンタリー。
ティーンでデビューした60年代当時、世界一のサッカー選手と言われたうえイケメンで、今で言うとベッカムかそれ以上の時代の寵児となったのに、活躍していた時期より、以降のトラブル続きのアル中時代の方が長い。
というようなことを知っていてさえ、貴重な映像を交えて時系列で見ると、あらためて心痛む人生にしんみり。
第60回ロンドン映画祭開幕11日目
Richard Linklater: Dream is Destiny ルイス・ブラック監督登壇
リチャード・リンクレイター監督についてのドキュメンタリー。昨日でプレス試写等終わり、今日からはプレスチケットが取れた一般上映を観ていくようになる。
リンクレイター監督が好かれるのは、シンプルに撮りたいものを撮ろうとしてきたからなんだな。ベルリン映画祭で記者団 に人気があるのも納得。
半分位の作品は観てきたけど、それは上手くいった半分だったみたい。こけてたのもあったことを知った。才能があっても必ずしも順風満帆で来たわけではないのだなあ。
第60回ロンドン映画祭開幕10日目
Nocturnal Animals
オールスターキャストのトム・フォード監督作。エイミー・アダムズとジェイク・ジレンホールは相変わらず上手いし、マイケル・シャノンの破れかぶれ刑事と、アーロン・テイラー=ジョンソンの悪党ぶりもしびれる。
フォード監督の美意識充満なのは前作同様でさすがデザイナーだけど、監督としてのスタイルも確立できてるのがすごい。見映えもいいし、天に二物も三物も与えられた人っているもんだなあ。
前作の男性主人公は一途なとこにうるっときたけど、今回の女性主人公は女の計算高いような部分がリアル。エイミーはArrivalの会見時、虚飾に生きる役が多いけどとか言ってたのは、この役のことかな。
公式サイトhttps://www.facebook.com/NocturnalAnimals/
Before the Flood
環境活動家レオナルド・ディカプリオ・ドキュメンタリー。環境を破壊して作られる食品に、日清の名前もあったのがショック。レオに従い不買するとしたら、こちらで売られてる日本のインスタントラーメンと言えば日清だから困るなあ、タイのインスタントラーメンもおいしいけど日本の味が欲しいこともあるし、が 私には切実。
第60回ロンドン映画祭開幕9日目
Their Finest
ロネ・シェルフィグ監督、ジェマ・アータートン、サム・クラフリン、ビル・ナイ、レイチェル・スターリング、アマンダ・ポージー、スティーヴン・ウーリー会見
17歳の肖像の監督で、時代と女性というところは通じるけど、こちらはラブコメ。戦時中のイギリスを舞台に、軽めにまとめてる。
Nocturama
数人の若者がそれぞれ黙々とどこかに向かうのを追っていく、台詞なしの出だしが引き込むだけに、終わりが予想通りなのが残念。
パリが舞台でテロというと最近の一連の事件が連想されるけど、政治的なこととかはなくて、あくまでスリリングな娯楽作。
第60回ロンドン映画祭開幕8日目
Prevenge
Sightseers出演、脚本のアリス・ロウ初監督長編ということで、ダークコメディー具合がそれと近い連続殺人妊婦のお話。
公式サイトhttp://www.westernedgepictures.com/prevenge/
Brimstone
声を失った助産師(ダコタ・ファニング)と、わけあり風な神父(ガイ・ピアース)というところで興味を引くも、早い段階で悪者と良い者がわかって、あとはどんだけ悪いかという話になる。カウボーイ風のキット・ハリントンが出番は少ないのにヒロイックなおいしい役。
公式サイトhttp://www.brimstonethemovie.com
Snowden
エドワード・スノーデンをジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じるオリバー・ストーン監督作。告発そのものとなったドキュメンタリーCitizenfour の方が生々しさ、スリリングさでは勝るけど、スノーデンがヒーローに見えるのはこちら。てんかんだったこととか恋人のこととか知らなかったし。
公式サイトhttps://snowdenfilm.com/mobile/
Certain Women
プレス試写で他の見逃せないのと重なり、泣く泣く見送ったのを一般上映で。ほぼ満席だったのは、やっぱりプレス?ローラ・ダーン、ミシェル・ウィリアムズ、クリステン・スチュワートがそれぞれ主演する短編3本みたいな感じ。ゆるく繋がってはいるけど。それぞれ30分弱位だから、起承転結の起かせいぜい承くらいなとこでスーッと終わるのが余韻を残す。
第60回ロンドン映画祭開幕7日目
The Birth of Nation
ネイト・パーカーがプロデュース、監督、脚本、主演もするナット・ターナーの伝記映画。
反乱を起こして処刑された奴隷という実話がすでにドラマチック。今回の映画祭、そういうのが多いな。
公式サイトhttp://www.foxsearchlight.com/thebirthofanation/
Dog Eat Dog
タクシー・ドライバーの脚本家にしてアメリカン・ジゴロの監督であるポール・シュレイダーが監督と出演も。
と言っても、上にあげた傑作を想像すると肩透かし。思いっきり肩の力を抜ききって作ったようなコメディー気味のクライムドラマ。
メインがニコラス・ケイジにウィレム・デフォーで、B級映画みたいなのに出演させられたのはシュレイダー監督だからかな。
第60回ロンドン映画祭開幕6日目
Arrival
パーソナルなことがエイリアンとのコミュニケーションと連動してるようなのや、謎のまま終わるとこがコンタクトと似てるけど、さすがにCGは全然発達してる。
公式サイトhttp://www.arrivalmovie.com
The Giant
エレファント・マンみたいな障害を持った男性が主人公。金属球でやるビー玉遊びに似たゲームと、心の病で1人で暮らす母に会うことがなぐさめ。
それがリアルとファンタジー(男性の心の中?)とを行き来して、独特の物語として編まれていく。リアルでは悲しい結末が、別の世界ではハッピーエンドなのが泣かせる。ほんとうに今回の新人監督賞候補は観るもの観るものみんな良い。
Goldstone
有力者がグルで悪事を働く町にアウトローの刑事がやってきて…というあらすじに新味はないけど、けっこうスリルを楽しめるオーストラリア映画。
Liltingのチェン・ペイペイや、Charlie’s Countryのデヴィッド・ガルピリルとか、脇が味わい深い。
第60回ロンドン映画祭開幕5日目
Queen of Katwe
ウガンダのカトゥエからチェスのチャンピオンになった少女の実話の映画化。貧しい地域の子供らを集めて、チェスを教えるコーチ役がデヴィッド・オイェロウで、開幕映画に続いての出演。
美談だし、拍手があがった。実物が俳優と並んで出てくるエンディングが微笑ましい。
A Quiet Passion
ベルリンでのお披露目見逃しをキャッチアップ。大御所、テレンス・デイヴィス監督によるエミリー・ディキンソンの伝記映画。
亡くなるまでを演じるシンシア・ニクソンが良い。こないだ観たのはがん末期役でやはり亡くなるまでだった。セックス&ザ・シティのイメージが切り替わりそう。
Paterson
アメリカのパターソンで、詩を書く路線バス運転手、名前もパターソンをアダム・ドライバーが演じるジム・ジャームッシュ監督作。永瀬正敏も出演。
なんてことないようで、それなりにナンダカンダある日々をゆるりと描くジャームッシュ監督お得意のスタイル。主人公がエミリー・ディキンソンの名前をあげるシーンがあって、なんか今日は刷り込まれた。
第60回ロンドン映画祭開幕4日目
The Autopsy of Jane Doe
トロール・ハンターのアンドレ・ウーヴレダル監督らしいひねりのあるホラー。父(ブライアン・コックス)と息子(エミール・ハーシュ)が自宅地下で営む検死所というのが、まず独特の雰囲気で怖い。
そこに運ばれてくるのが「世界で一番美しい死体」というツイン・ピークスのフレーズを思い出すような若い女性の遺体。その遺体は…
親子役の芸達者2人はもちろん上手いし、遺体役も綺麗。オルウェン・キャサリン・ケリーという女優さんだそう。
Una
主演のルーニー・マーラで見せる。
隣の家のおじさんと13歳の時に関係を持ったのを引きずっているウナ、ペドフィリアとその被害者という単純なものでなく、ウナの方がストーカーみたいだったりで、どこに着地するかで興味を引く。
もとが舞台劇と聞くと、なるほど台詞とか、そういう感じ。
Bleed for This
こちらも主演のマイルズ・テラーが良いボクシングもの。
ヴィニー・パズの奇跡の復帰の映画化で、感動的な実話を程よい加減で描いてる。ボクシング映画って、うまくいく率が高い気がする。
ジェイソン・ステイサム風のハゲかかったコーチ、アーロン・エッカートだった!二枚目かと思ってたけど、こういうのもハマる。
第60回ロンドン映画祭開幕3日目
Dancer
ロイヤル・バレエで19歳でプリンシパルになる最年少記録を作るも、身体中のタトゥーなどバレエのバッドボーイと呼ばれ、早々に退団したセルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー。
ウクライナの裕福ではない家庭で育ち、父親がポーランドで働くなどバラバラになった家族を自分が成功することで、また、一緒に暮らせるようにと願い、両親の離婚後はモチベーションを保てなくなったとも言われる。
このまま消えたら、悲劇の天才ダンサーになりそうだから、もう一花咲かせて欲しい。
公式サイトhttp://www.westendfilms.com/films/current/dancer
My Life as a Courgette
ちょっとティム・バートンのとも似てる、どんよりかわいいキャラのクレイアニメ。
不幸な生い立ちの子たちの施設を舞台に、コジェットと呼ばれる男の子を主人公にベースはかわいそうだけど、ほっこりと描かれているのが良い。新人監督賞候補は今のとこハズレ無しだな。
Manchester by the Sea
取り返しがつかないことをしてしまった過去を引きずり、世捨て人のように暮らしながら発作的に怒りを爆発させてしまう男をケイシー・アフレックが好演。 元妻役ミッシェル・ウィリアムズの良いとこも嫌なとこもある普通の人っぽい感じも相変わらず上手い。
こちらもベースは悲しいけど、後味の良い終わりに拍手が上がった。