2012年9月 のアーカイブ

ロンドン映画祭新機軸とヒース+ジョゼフ映画

ディレクターが変わって、ロンドン映画祭も様変わり。

本格的なコンペは前ディレクターの最終年だった去年からだけど、今年はもっと強く打ち出して、パンフレットでも目立つようにしてある。それ以外の上映作の区分けも、これまでの制作国別から、Love、Thrillとか内容別になった。好みの映画が選びやすい、観客フレンドリーな区分け。せっかくなので、試写した映画にコンペとか区分けも書き加えることにした。先週の試写分も、暇があれば、ぼちぼち書き加えたい。今週の試写には日本からのコンペ作も登場。楽しみ。

ロンドン映画祭の試写がなかった今日は、テレビで映画鑑賞。

ヒース・レジャーの恋のからさわぎ

原題は10 Things I Hate About You。ヒースだけじゃなくジョゼフ・ゴードン=レヴィットも出てまっせー。1999年の公開時、ジョゼフは18歳だから、撮影時は16、7歳くらいか。少年を通り越して子どもみたいに見えるショットもある。童顔だし。2歳上のヒースは、もう、ちゃんと青年。この世代の男の子の1、2年の差は大きいなあ。

とは言え、ヒースもフレッシュ。シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』を現代の学園ものに仕立てたラブコメで、マイク片手に女の子に歌っちゃうシーンまである。でも、そこはヒース、ちゃんとアウトローっぽい学生の役。

ヒース・レジャー、今となっては、どの映画でも悲しく見える。マッチョを気取る父親に愛してもらえない心優しい息子を演じたチョコレート、ドラッグ中毒から抜けられない青年役のキャンディとか、もともと悲しい役がはまる人だったけど。そういえば、ジェームズ・ディーンにしろ、リバー・フェニックスにしろ、やっぱり悲しげな役の印象が強い。そういう雰囲気の人が夭折しちゃうのか、それとも夭折したせいで、そのイメージをかぶせてしまうのか…

ジョゼフもMysterious Skinでの悲しい少年役が印象深いけど、頼りなさそうな見た目によらず、会社も経営してたり、なかなかしっかりしてるみたい。こちらは長生きしそうだから渋い役どころを楽しみにしてよう。

試写5日目 パワフルドキュメンタリー登場

ロンドン映画祭試写5日目 ()内は映画祭カテゴリー

West of Memphis (Documentary Competition)

ウェスト・メンフィス3知らなかった。ジョニー・デップとかも支援に立ち上がった有名な3人の容疑者のこと。子供が3人まとめて殺される酷い事件が起こって、その憎しみをぶつける対象として格好の若者たち3人が犯人にされてしまう一連の流れが怖い。

でも、これ、限りなく真犯人に近い人の名前があがってるのに、司法取引のせいで、つかまえられないってこと?アメリカの司法制度って謎だ。

公式サイトWest Of Memphis | Official Site

Sister (Love)←このラブというカテゴリー、家族愛とかも含めてるようです。

ベルリンでも見たのを再度。2度目でも、また同じとこで泣きそうになる。

公式サイトwww.mozinet.hu Sajtó – mozi, filmek, kritikák

Zaytoun (Debate)

ちょっと上手くまとめすぎた気も。映像も俳優もいいし、紛争地域の生活を描くという狙いは買うけど。

試写4日目 超古典

ロンドン映画祭試写4日目 ()内は映画祭カテゴリー

Tall as the Baobab Tree (Dare)

アフリカのお話。怪我したお兄さんの治療費のために、学校も途中でやめさせられて売られるも同然で嫁に行かされそうな妹を守ろうとするお姉さんが主人公。宗教や習慣の違いとは言え、世界にはまだまだそういう待遇を受ける女性がいることを思い知らされる。

公式フェイスブックGrand comme le Baobab (Tall as the Baobab Tree) | Facebook

Good Vibrations (Sonic)

闘争が激しい頃のアイルランドでレコード店を開き、いくつかのパンク・バンドを世に出すきっかけもつくったテリー・フーリーという実在の人物のお話。子どもの頃から音楽好きで、それをそのまま商売にしちゃったような人。でも、あまり商売になってないのが好ましい。みんなをゲストとして招いて赤字のライブやったりで、現在までに何度も閉店、再開を繰り返してるレコード店の店名がグッド・バイブレーションズ。なつかしいパンクの名曲に、殺伐としたアイルランド当時の記録映像もいい。

公式フェイスブックGood Vibrations: The Film | Facebook

The Loves of Pharaoh (Treasures)

エルンスト・ルビッチの1922年のファラオの恋の復元版。数百人という単位での戦闘シーンとか、当時としてはすごいものだったのかな。構図とか、かっこいいと思ったら、ルビッチ・タッチとして、その後の映画に影響を与えた人らしい。ストーリーとか、いろいろゆるいけど、1世紀近く前の映画はおおらかだったのかもね。これ、私が見た中では最古の映画かも。

公式サイトErnst Lubitsch: “Das Weib des Pharao”

戻ってから、ヒッチコックのシャンパーニュの生演奏つき劇場公開同時オンライン上映というのを見た。会場がさっきまで試写でいたBFIで、おうちにいながら試写が続いてる気分。ところで、これ1928年の映画だった。ファラオの恋と6年しか違わないのに、全然モダン。

試写3日目 ちょっと盛り下がる

ロンドン映画祭試写3日目 ()内は映画祭カテゴリー

Here and There (Journey)

娘と妻を残し、アメリカで出稼ぎしなきゃいけない、メキシコの父さんのお話。プロの俳優さんじゃない、ローカル色たっぷりのキャラクターたちにメキシコの風景で、ドキュメンタリーっぽいのがいい感じ。

公式フェイスブックAquí y Allá | Facebook

ヒア・アンド・ゼアとして東京国際映画祭で上映予定(10月17日追記)

Save Your Legs! (Laugh)

あんまりな予感のオープニングから、笑えるとこ待ったけど、ついにブレークスルーは訪れず。1回も笑わないまま終わった稀有なコメディ。途中退席の人もいたけど、どちらにしろ次の試写まで時間つぶさなきゃいけないし、おとなしく座ってた我慢強い私。

公式サイトSave Your Legs!

Doomsday Book (Cult)

SFだけど、前のコメディより、笑えた。ロボ僧侶に、焼肉感染ゾンビもどきに、危機的状況を前にして無茶する女性テレビキャスターと、発想が元気。勢いあるなー韓国映画は。でも、これも見なきゃ見なくてもよかったかな、というくらいの軽いエンタメ系3話オムニバス。2番目のオープニングでソッコウ帰るのが正解だったかも。けど、自分の目で見ないと、判断できないからなあ、映画は。まあまあの1番目と3番目に、大はずれの2番目が挟まって、ちょっと徒労感が残る試写3日目でした。せめて2番目のが最後なら、途中退席して早く帰れたのにー。

公式サイト인류멸망보고서

人類滅亡報告書として東京国際映画祭で上映予定(10月17日追記)

試写2日目 疑問氷解

ロンドン映画祭試写2日目。()内は映画祭カテゴリー

Laurence Anyways (Love)

ザヴィエル・ドランの監督3作目。悪くないけど監督デビュー作の衝撃は超えなかった2作目を経て、3作目ではっきり力量を見せた。現在23歳のドランが主演もした前2作の若者の恋より、もっと人生の重さがのしかかってくる大人の愛。前2作同様、脚本やプロデュースに衣装とかもドランが手がけてる。主演や相手役もぐっと年齢が上がってて、今回ドランは出てないのかと思ったら、パーティーシーン台詞なしで1コマだけ顔出し。

性転換を考える教師兼作家の男性と、その恋人として長年連れ添った女性の10年に渡るお話。偽りの自分を生きてきた男性と、それを打ち明けられる女性の両方が描かれる。お互い愛し合ってるだけに、つらい。自伝的なデビュー作は、本人が演じた息子役はもちろん、お母さんもしっかり描けてるのが凄いと思ったけど、今回も、ちゃんと男女両方に等分に目が行ってる。それが極端な題材でも独りよがりな作品にならない秘訣かも。ヘビーにかぶせる音楽とか、スローモーションとか、相変わらず効いてる。いい映画の予感がビシバシのオープニングに負けないエンディングには拍手もあがってた。

関係ないけど、主人公の台詞で1つ疑問が氷解。性転換してしばらくたった主人公が、女性として自信がついてきたか?という質問に答えて、自信はない、けど、決意はある、とキッパリ。綺麗な女装の人を見ても、ふうーんてなもんだけど、ショーン・ビーンが女装でやった役→BBC One – Accused, Series 2, Tracie’s Storyみたいな、ごつさの残る女装の人には、頑張れという気持ちになるのは、それだったのか。決意が見えるんだね、女をやっていくぞ、っていう。女装の(元)男性に限らず、決意して、それを引き受けていく気概が見える人は、かっこいい。ローレンスも、かっこいいです。

公式サイトLaurence Anyways

わたしはロランスとして2013年9月7日公開(2013年9月7日追記)

Shell (First Feature Competition)

他に何もない道の途中のガソリンスタンドに住む父と娘のお話。少女から大人へというところの危うく、みずみずしい娘と、娘に頼らなくてはならない持病のある父。少ない登場人物で緊迫感がある。父役のジョゼフ・マウルとか、通りすがりのケイト・ディッキーとか上手い俳優さんたちは、やはり見せるけど、主役の若い新人女優さんも良かった。

The Hunt (Debate)

濡れ衣を着せられ、地域の嫌われ者になっていく男の話。これだけ見たら、まあまあ面白いと思えたかもしれないけど、上2つと並べて見ちゃうと、どうしても、普通のドラマに思えてしまう。ゆるさも目立つし、先が読めちゃうし。マッツ・ミケルセンがかっこよすぎるのもマイナスかも。もうちょっと、嫌われそうな、やな感じの人が主役なら、もっとリアリティ出たはず。いや、かっこよすぎて嫌われてる?ジェラシー?

試写1日目

今日からロンドン映画祭試写。()内は映画祭カテゴリー

Celeste and Jesse Forever (Laugh)

好感度大のラブコメ。

公式フェイスブックCeleste and Jesse Forever | Facebook

My Brother the Devil (First Feature Competition)

ベルリン映画祭で見逃したのをキャッチ・アップ。ストリート・ギャング×兄弟愛と思ったら、もう一ひねりあった。ひねりが効いたのかどうかが微妙。

公式フェイスブックMy Brother the Devil | Facebook

Room 237 (Cult)

ルーム237って、あのシャイニングの怖いお部屋の番号。バスルームの美女と思いきや…ギャーというあれです。そのシャイニング、コマ送り、逆回して微細に検証すると、アッと驚くことがいっぱい。もうーワクワク見ちゃいました。これだけ仕掛けたスタンリー・キューブリック監督も大天才だけど、その仕掛けを見つけた人もすごい。

公式サイトRoom 237

秋の映画祭その1

秋は映画祭が続くロンドン。まずは日曜にジパング・フェストへ。

エンカウンターズ +飯塚貴士監督Q&A

手作り感が脱力する可笑しさにつながってるお人形アニメ。と言っても、ストップモーションじゃなく、お人形を動かして撮ってる昔懐かしい制法。

公式サイトワッヘンフィルムスタジオ

グレートラビット

ベルリンで受賞会見とトレーラーしか見られなかったのが、やっと全部、って数分の短編だけど、見られた。不思議で、なんかすごい。

公式サイトATSUSHI WADA

緑子/MIDORI-KO

サラッとした絵だけどストーリーにちょっとエログロが混じる。10年を超えて描いたという力作。

公式サイト黒坂圭太新作アニメーション映画「緑子 MIDORI-KO」公式ウェブサイトへようこそ! – Keita Kurosaka/Animation movie [MIDORI-KO] Official website!

以上の中短編3本まとめてビヨンンド・アニメとして上映。幅広いなあー、確かにビヨンドかも。

サウダーヂ +富田克也監督と脚本の相澤虎之助Q&A

勢いを感じるインディペンデント映画。失業者が鬱屈を移民にぶつけるお話の映画が、イギリスだけじゃなく日本でも出てきんだなあ…

公式サイト富田克也監督作品 映画「サウダーヂ」 空族制作


映画ニュース/インタビュー

シネマトゥデイに書いている映画ニュース/インタビューはYahoo Japanなどに配信されています。

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