アカデミー賞、ふたを開けてみたら、家国王のスピーチがぶっちぎっちゃった。
コリン・ファース男優賞はおろか、デヴィッド・フィンチャーじゃなく、トム・フーパーが監督賞も獲得。うれしいような、申し訳ないような。
英国王のスピーチの4冠に、ザ・ファイターで助演男優賞のクリスチャン・ベイルもイギリス俳優で、イギリスは朝から大盛り上がり。
映画、イギリスのあれこれ by Yukari
アカデミー賞、ふたを開けてみたら、家国王のスピーチがぶっちぎっちゃった。
コリン・ファース男優賞はおろか、デヴィッド・フィンチャーじゃなく、トム・フーパーが監督賞も獲得。うれしいような、申し訳ないような。
英国王のスピーチの4冠に、ザ・ファイターで助演男優賞のクリスチャン・ベイルもイギリス俳優で、イギリスは朝から大盛り上がり。
いよいよアカデミー賞発表ですね。
英国王のスピーチ作品賞、ソーシャルネットワーク監督賞という予想をこのブログや他でも書いたり言ったりしてるけど、結果はいかに?
その2つの映画の関係は、今回のベルリンの金熊と銀熊ともちょっと通じるような。
ベルリンではコンペの最高作品が金熊賞で、男優、女優、脚本とかで優れていたものに、それぞれ銀熊賞。作品で、最高賞の次にあたる感じなのが、やはり銀熊が与えられる審査員賞。
しっかりした脚本、演技(男優賞、女優賞で銀熊も獲得)も良くて、余韻を残す終わり方も文句なし、オーソドックスなドラマだけど、万人をうならせる上手さだったNader and Simin, A Separationが金熊賞、白黒で、限られた登場人物と場所のみを描きながら、世界の終わりともとれる結末がズシーンと来る The Turin Horseが審査員賞で銀熊。芸術性ということでいったらThe Turin Horseの方を高く評価する人もいそう。いずれにしてもかなり個性的というかクセのある映画。
* The Turin Horse ニーチェの馬として日本では2012年2月公開となるようです。(11月25日追記)
* Nader and Simin, A Separation 別離として日本では2012年春公開となるようです。(2012年1月16日追記)
やっぱり万人にいい映画と思われそうなのが最高賞には座りがいい。そのへんで、アカデミー賞も英国王のスピーチと思うけど、さて?
ところで、このブログでHowlを引き合いに出しながら、William S. Burroughs: A Man Withinというドキュメンタリー映画を書いたとこで、Howlのジェームズ・フランコがやってるのをバロウズと書く、とんでもない間違いをしでかしてました!もちろんアレン・ギンズバーグです。見た時にはギンズバーグとして見てたはずなのに、その後、うろおぼえとなって、ここで書いた時には思い違いしたようです。
きっと、みなさま、ムズガユイ思いで、間違い部分を読んでいたことでしょう。今回、お知らせいただいた方に感謝です。
記事を書く際は事実確認もするものの、ここは思ったまま書くこともあって、あとから間違いに気がついて直したりもしてます。みなさまも間違いにお気づきの際は、お知らせいただければ、ありがたい。よろしくです。
ベルリンで、何書いてあるかわからないままペラペラめくってみた雑誌に、公開映画の星取表を発見。
このブログでも10月のロンドン映画祭からお勧めとしてあげた英国王のスピーチとAnother Yearがしっかり5ツ星なのは、納得のいくところで、うれしいけど、ザヴィエル・ドランの監督デビュー作I killed my motherも同じく5ツ星だったのにはオオッと喜ぶ。勢いつけなくても、ちゃんといいものが作れるという意味で昨年のロンドン映画祭で見た2作目も評価するけど、やっぱり、デビュー作は勢いがあって力も入ってて凄い。ふーむ、ドイツで公開なんだ。
英国王のスピーチとAnother Yearは、イギリス映画だから、もうイギリスでは公開済みだけど、カナダ映画のI killed my motherは、イギリスに先駆けての一般公開。フランス語の映画だし、カンヌでお披露目されたから、フランス経由っぽい。ドイツはイギリス、フランスどっちからも情報やら映画やら入ってくるんだろうな。EUというかヨーロッパ圏というか、そういう文化圏。
日本って、洋画に関しては、ほぼアメリカ圏と、イギリスに住むようになって気がついた。アメリカでの評判、人気、話題がそのまま輸入されて、その通り評判になって人気や話題になってるふう。イギリス映画でさえ、アメリカで評判になって初めて日本でも注目してもらえるアメリカ経由が多い。アメリカにいるたくさんの我が同胞たちが、がんばって情報を送り続けてくれていることも大きいだろう。大金かけて世界で大宣伝するハリウッド・システムが効いてる国ということもありそう。
ドイツで感じた映画のヨーロッパ文化圏的な雰囲気とは別で、地理的、文化的に自然にそうなってるのではなく、人為的な日本のアメリカ文化圏っぽさ。なんちゃってアメリカ文化圏とでもいいましょうか。
英国王のスピーチ、コリン・ファースとヘレナ・ボナム・カーターのインタビューが掲載されました。
http://movies.yahoo.co.jp/interview/201102/interview_20110225001.html
コリン・ファースに聞きながら、思いが向かっていたのは、今時の若い日本の人のこと。
上手くしゃべれないことで自分を出せないこと、自分ではなくなってしまうことを、吃音に限らず、外国に行った時を例に出して話してくれて、思わず、私に言ってくれてるのねコリーン(涙)となってしまいそうだったけど、それは違うでしょと思いなおす。
コリンが言うように、実際、誰にでもあること、特に日本では多いんじゃなかろうか。
自分を出せない場所で、自分でなくなるより、1人で過ごして自分でいることを選ぶのがひきこもりだったり、自分でなくなるような仕事にからめとられるのが嫌で、フリーターとかニートを選ぶのじゃないか、などなど思いつつお話を聞いたのでした。
ロンドンに戻り、落ち着いたところで、以下のベルリン映画祭メモに公式サイトなど貼り付けながら、見られた映画の数を確認。
22本。そんなもんか。やっぱり開幕前の試写から見られる地元のロンドン映画祭みたいにはいかない。
ベルリンの感想など、記憶が定かなうちに、ぼちぼち書いていくつもり。
9日目
The Forgiveness Of Blood コンペ 試写
家の名誉みたいなものが大事なアルバニアのお話。殺人が家と家の抗争になって、お兄ちゃんとお姉ちゃんと弟がいる家に普通に銃弾が打ち込まれたりする。次の家督の長男が狙われて学校に行けない時に、クラスメートからがんばってみたいなビデオレターが送られてくる、周りが日常として受け止めてる感じにびっくり。
試写と試写の間に、家族Xの吉田光希監督インタビュー。ベルリンにくる若い日本勢はみんなすごいなあ。日本の映画界の将来は明るいぞ。
Unknown(邦題アンノウン) コンペ 選考外上映 試写 会見
リアム・ニーソンとか、フランク・ランジェラとかそうそうたるメンバーで期待したけど、あらまあ、びっくり。不必要にすごいカーチェイスとか、大爆発とか、みんな大笑いで拍手しながら見てました。ラジー賞候補?途中からサスペンス仕立ての筋立てを追うのがバカらしくなってきたほど。
ハラハラしたのは会見。こんなんでリアムとかきたら可哀想とか、妙な心配しちゃたけど、会見に出たのはダイアン・クルーガーとかドイツ勢。そっか、ドイツがハリウッド的エンターティメントを狙って作ったわけね。心配したほど酷い質問もない和気藹々の会見。地元だし、エンターティメント映画に目くじらたててもって感じ?
公式サイト UNKNOWN
10日目
結果発表見て、受賞者会見に出席。思ったとおりの結果。ストーリー、テーマ、役者と全てが上手くて、構成のしっかりしたドラマだったイラン作品が金熊、アート性の高かったハンガリーのが銀熊。イランが大変そうなのはパナヒ監督判決でもわかるけど、ハンガリーも大変そう。海外の映画界を取り巻く状況も勉強しないとな。
明日、映画上映のみの日をもってベルリンは締め。
7日目
イギリスで既に見た作品2本の会見・インタビュー。
朝、コリン・ファース、ヘレナ・ボナム・カーターを続けてインタビュー後、午後にToastの会見で、またヘレナ登場。その後、トム・フーパー監督インタビュー、夜にまた、コリン、ヘレナ、トム3人そろった英国王のスピーチ公式会見に出席。
人生でヘレナ・ボナム・カーターを一番多く見た日になりそう。
BBC – BBC One Programmes – Toast
映画『英国王のスピーチ』(原題:King’s speech)公式サイト
8日目
Come Rain Come Shine コンペ 試写 会見
イ・ユンギ監督、ヒョンビン、イム・スジョンとも知りませんでした。韓流ももっと勉強せにゃ。日本の女優さん見ても思うけど、東洋の人は肌がきれい。いや男優さんも肌はきれいだな。ところで、女優って普通だけど、男優というとアダルトみたいな感じが出るのはなぜだろう。俳優というべき?でも俳優が男性で、女性の場合のみ女優って、ちょっと性差別じゃない?
Lipstikka コンペ 試写
興味をつないでいく話の進め方が上手いだけに、最後がちょっと安易な気がして残念。
5日目
Innocent Saturday コンペ 試写
チェルノブイリ原発事故時の若者群像。原発施設で働いている人が、事故を知っても、あんなにのんきでいるのが信じられないと思ってしまって、のれなかった。事故の大変さより日常に巻き込まれる、または半分ヤケになってるってこと?と疑問に思うってことは、少なくとも、ここに1人はそこが伝わらなかった人がいるということだよね。
Coriolanus コンペ 試写 会見
レイフ・ファインズの初監督作というので期待してたけど、シェイクスピア英語が難しいよー。英語圏、特にイギリスでは評価されそうだけど、日本では字幕が大変なことになりそうだ。スコットランド出身のジェラルド・バトラーは受け答えといい、真っ白な歯といい、すっかりハリウッド俳優になっちゃってたけど、ファインズはやっぱりシェイクスピア役者ぽい。
家族X フォーラム Q&A
いいこととは思わないけど、しょうがないよね、みたいな感じは、欧米では伝わりにくい気がする。いいことと思わないなら何故やるのってことだもの。つきあいで要らない物買わされる奥さんとか、飲み行ったりするご主人とか、それぞれに別々に大変で、肝心の家族とスカスカみたいなの、日本人には身につまされる話だけど。
PFFスカラシップ|上映作品紹介|第32回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)公式サイト
6日目
Nader and Simin, A Separation コンペ 試写
ここにきて、ようやくMargin Callを抜くのがでたぞ。このままぶっちぎるんじゃないかな。アメリカみたいにお金と才能が集まる国がいい映画作るのは不思議もないけど、どうしてイランから、いい映画監督がけっこう出てくるんだろう。切実に訴えたいことがあるから?
公式フェイスブック Jodaeye nader az simin | Facebook
The Future コンペ 試写
こういう軽味のある、ちょっと変ったラブコメみたいなのは、けっこう好き。主演と監督の女優さんと相手役と、よく知らないけど、ヒョロンとしていい感じ。
The Turin Horse コンペ 試写
白黒で画面も重ければテーマもずっしり。重さにかかわらず見せきってしまう、神話的ともいえる語り口が上手い。
* ニーチェの馬として日本では2012年2月公開となるようです。(11月25日追記)
Fit フォーラム 試写
今回見た日本映画の中では、一番若い人が作ってそうな気がしたけど、ほんとうにそうかは知らない。後で調べよう。
PINA コンペ選考対象外上映
Cave of Forgotten Dreams 特別上映
3Dで動きをみせたヴィム・ヴェンダースPINA、空間を見せるのに使ったヴェルナー・ヘルツウォークCave of Forgotten Dreamsの3D連続試写。何を撮っても監督のカラーが出るのが、さすがドイツ2巨匠。
PINA – Ein Film für PINA BAUSCH von WIM WENDERS
Werner Herzog Film: Cave of Forgotten Dreams
Vampire パノラマ Q&A
タイトルから予想されるようなホラーじゃなくてびっくり。自殺と殺人をこんなに優しく描けるなんて、岩井俊二の人気の理由がわかった気がした。ベルリンでも大人気。
公式フェイスブック Vampire | Facebook
*ヴァンパイアとして2012年9月15日公開(2012年9月10日追記)
2日目
Margin Call コンペ 試写&会見
J.C.チャンダーって新人監督だそうだけど、ケヴィン・スペイシーほか芸達者がいっぱいなのも手伝って、しっかりしたハリウッド大作の雰囲気。スペイシーは会見でのしゃべりも上手。
公式フェイスブック Margin Call | Facebook
The Prize コンペ 試写
ちょっと弱いかも。主役の子どもは名演技だけど。
公式サイト El Premio
ヘヴンズ ストーリー フォーラム Q&A
4時間半越えの長さだけど、見逃さないでよかった。
3日目
Sleeping Sickness コンペ 試写
悪くないけど、コンペって、一番に見たのを基準にしちゃうからな。マージン・コールには負けそう。
Yelling at The Sky コンペ 試写
荒れた家庭のぐれかかった子どもの話だけど、イギリスには、同系のいい映画がいっぱいあるからなあ。よほどよくないと月並みな印象になっちゃう。
Yelling to the Sky (official film page) | Facebook
世界グッドモーニング!! フォーラム 試写
こうなるだろうという予想をいい具合に裏切ってくれる話の展開。主演の男の子もうまいし、気球や録音日記のアイディアが効いてる。
コンペティション部門 PFFアワード2010|上映作品紹介|第32回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)公式サイト
百夜行 パノラマ Q&A
堀北真希が色白お目メパッチリで可愛い。監督のねらった通り、刑事役を狂言回しにしたおかげで、わかりやすく監督の見方を表してはいる。本で読んだときの印象とは、その分、ちょっと違っちゃってる。この作品では、自分の好きに解釈できる本の方が好きだな。